2013年1月31日木曜日



ホルモンは偉い!
上段は上野の「大統領」の馬モツの煮込み
下町でモツの煮込みを出す居酒屋は沢山あり、
それぞれ独自の味付けで甲乙付け難いが
最近見つけた此の店は、私のランキング1位に躍り出た。
その柔らかさに、程よい風味(ウン◯臭さが絶妙)
ナント朝十時から営業しているのも偉い。

中段は浅草検番通りの「肉のすずき」のホルモン盛り合わせ
此処も1年程前から通っている店だが
普通の牛豚肉は勿論だが此のホルモンの鮮度が抜群
レア気味に焼いても大丈夫なのが嬉しい。

下段は箱崎の「ame」のトリッパ
オフィス街の外れに有るイタリアン・バルで出す
此のトリッパは森下の山利喜で煮込みを担当していたシェフが
更にイタリアのトスカーナで修業を積んだと云う本物だ。
一口食べると、蕩ける柔らかさに、程よいトマトの酸味と甘みが
口に広がり、もう溜め息が出てしまう。
珍しいワインが手頃な値段でグラスで飲めるのも楽しい。

そんなワケでホルモンの語源は関西で”捨てるもの=放るもん”からとか。
でも私に取っては”ホルモン教”に入信したいくらいなのだ。




Moby - Lie Down In Darkness 
此の曲も新作”Destroyed”からもの。
ミニマム・ミュージック風のイントロからソウルフルな女性ヴォーカルへ。
スタリッシュでモダンな映像にキレが有り
映像作家のセンスの良さを感じる。
かなりアルバムを出しているのにモービーの音楽の鮮度は落ちない。
絶えず前向きの姿勢を続けている。

2013年1月30日水曜日

(日本映画・女優編

清川虹子(1912~2002)


芸名はやたら美しいのに彼女のイメージは怖いオバさん。
その経歴は此処に登場した女優さんの中でも、かなり波瀾万丈。
まず16歳で結婚した後、男運が悪く
無声映画の活弁士・生駒雷遊との間には未婚の子をもけたりと
それでも生涯3度も結婚している。
中には当時の東宝社長の弟・大沢清治の様な大金持ちも居たが
その後、結婚した伴淳三郎は女癖は悪いはヒロポン中毒だわで

散々な苦労をさせられている。
しかし彼女の芸歴はエノケンの「笑いの王国」参加以来
珍しい喜劇女優として舞台に映画にと見事な足跡を残している。
戦前戦後とエノケン・ロッパ・エンタツ・アチャコ映画には度々登場し
東宝で江利チエミの「サザエさん」の母フネ役で人気があった。
チエミとは彼女の母と交流が有ったのでチエミが亡くなるまで
本当の母親代わりに成っていたと云う。
前後してMGMが沖縄を舞台にした映画
「八月十五夜の茶屋」では主演のマーロン・ブランドが
ヒロインの京マチ子より何故か清川に興味を示し
マーロンに追いかけ回されたとかは当人の談。
とにかく晩年はその女傑ぶりを生かし
任侠映画の女親分や今村昌平の映画で
惜しげも無くヌードを披露したり
過去の有る役でシリアスな演技が評判を呼んだ。
そして晩年まで紅テントの唐十郎の芝居に出演したり,
参議院まで立候補したりと大活躍。
その功績により1990年勲四等端宝賞を叙勲した。




Moby - Be The One 
今日の1曲もニューアルバムからのもの。
相変わらず近未来的なサウンドに付けられた映像が面白い。
大都会に生きる若い男女を描いているが
アフリカ系のカップルだと思ったら本当のアフリカ
南アフリカのケープタウンでのキャスト
演出も現地の若い映像作家の様だ。
まったくモービーの考えるアイディアは素晴らしい。

納豆あれこれ
私の場合、朝ご飯に無くてはならない物と云えば
味噌汁に次いで此の納豆。
オカズは焼き魚でも目玉焼きでも良いが
最期には納豆を海苔で包んで食べたい。
オジヤやチャーハンに入れても良いが
別のときは大根おろしと混ぜてズズズーッと呑込んだり
山芋を擦ったものや、ほうれん草のお浸しに混ぜて頂く。
そのくせメーカーは余りこだわらない。
下にそのパッケージを載せてみたが
最近は小粒が中心。
確かに大粒だとご飯と混ぜると食べにくい。
なんとなく苦手なのは挽き割り納豆というヤツ。
病人の離乳食みたいで苦手だ。



2013年1月29日火曜日



はな豆
此れは頂き物である。
その方が長野のペンションに泊まられた時
出て来たお菓子が美味しかったので購入して来たとか?
”ほっくり、あま炊き”と袋にも書いてあるが
その表現がぴったり。
甘さも控えめ,朝のおめざには
丁度良い!

Moby - After 
いかにもモービーらしいテクノ・サウンドでスタートする
此の曲は彼の最新作"Destroyed"に納められたもの。
サウンドのイメージを裏切らないSF的な映像は
宇宙船の様でもあり原子炉の様にも見える。
”破壊”というアルバムの”その後”というタイトルだから
近未来、地球が滅びた後という設定か?
ますます難解な世界だ。

2013年1月28日月曜日

2013.1.28NEWS
先週末は土日とヨーロッパ・チャンピオン・リーグの
プレイオフとVリーグのTVオンエアが有った。
相変わらずトルコ・ワクフバンクの木村沙織はスタメン落ち
途中出場でレシーブ堅めとサーブ・ポイント要員に使われる状態。
まあ此の試合は彼女のサーブの連続ポイントで勝ったものの
途中、彼女が前衛に上がってスパイクを決めるのを期待していると
無情にも大砲グリンカと交代させるハメ。
セッターのナズとのコンビは良く無いし、ブロックは弱いと
監督に判断されている様だ。
サオリンの優しい性格は世界中から集まった気の強い選手達の中で
まだ、どうすれば良いか迷っている様に思える。

片や日本のVリーグもいよいよ後半戦
セッター竹下佳江の抜けたJTマーヴェラスと
中田久美率いる久光製薬の試合は中田ファンの私としては、
此の処、調子の良いNECに久光は連敗している事もあり
どうしても久光側から試合を見てしまう。
さて此の試合で目立ったのは、長岡望悠(望悠=みゅうと読むらしい)
アタッカーでは、あの大林素子以来のサウスポーの
彼女が見事に成長していた。
ご覧の様にルックスは良く云えばデビュー当時の前田美波里
別の見方をすればオバQのドラミちゃんの様な明るいファニーフェイス
現在21歳、身長は179cm出来れば,もう少し背は伸びて欲しいが
屈託の無い笑顔がチームのムードを盛り上げる。
その彼女はスパイクの速さと守備の良さが抜群
今,全日本がイチバン欲しがっている選手と云えるだろう。
前回、書いた現役高校生のルーキー古賀紗理那と共に遅かれ早かれ
全日本のメンバー入りを必ずや果たすであろう。
まだリオまで3年あるが30歳を超えてベテランとなる荒木や木村を
サポートしてオリンピックでの活躍が期待される。
それとロンドンでは控えだった石田瑞穂が相変わらずミスの無い
アタックで此の試合ポイントを稼いで居た。
彼女は少しロンドンには遅れた選手だったのかも知れない。

(日本映画・男優編)
三島雅夫(1906~1973)

彼は前回の東映悪役連に入れても、おかしくは無い俳優だが
しかし、それ以上に良い役を沢山やっているので別格とした。
いや調べれば調べるほど興味深い経歴だ。
芝居好きの父親の影響で早くから演劇の道へ。
しかし入った劇団が左翼思想の強い処だったので
検挙され投獄され出獄するも家庭は崩壊してしまう。

戦後も演劇を続けていたところを、女優・東山千栄子から俳優座に誘われ
劇団の幹部として活躍、それから映画にも出演し
伊藤大輔の「王将」小津安二郎の「晩春」成瀬巳喜男の「おかあさん」
等で脇役俳優としての確固たる地位を築く。

特に久松静児の「警察日記」での地方警察署長役は
とぼけた人情味に溢れる演技で私の記憶に残っている。
しかし先に書いた様に東映時代劇では極悪非道な悪役を
したかと思えば別の作品では人の良い殿様役と
善悪両方を起用に演じ観る方は混乱した。
他に社会派の作品では
今井正の「キクとイサム」や新藤兼人の「第五福竜丸」
そして小林正樹「人間の条件」と掘り下げた渋い役を演じ
日活では今村昌平の「豚と軍艦」でヤクザの組長
大映の川島雄三の「雁の寺」では若尾文子を妻にしている僧侶と
まさに奇々怪々、様々な役を演じられる怪優の1人であつた。







 シーフード・イタリアン
前回,成功した生ワカメのピザをもう一度と
やってみたが上に大根の葉を載せたのが敗因
ワカメはパリッとせず何だか、だらし無いピザに成ってしまった。
それでもシメジがチーズと一緒に焦げて
食べられなくは無い程度。

それと今よく出回っている牡蠣を使った
ボンゴレ・スパゲティは残っていた蕪の葉を使って。
アーリオ・オーリオで炒め、白ワインを少々
いつものアサリとは又違う風味が楽しめた。




Moby - I Love To Move In Here 
アルバム“Last Night"はダンサブルな曲が多いが
昨日に続いて今日のヴィデオは又また奇妙だ。
ディスコに現れたのは変な小人のオジさん。
その踊りが何とも・・・
果たしてコイツは?という仕掛けに
嵌められてしまった。
しかし良くモービーも考えるねえ。

2013年1月27日日曜日



ランチ3種
スパゲティ・ナポリタンは横浜のニューグランド・ホテルが
進駐軍の本部だった頃,米軍の食料物資を組み合わせて出来たとか。
昔、喫茶店のメニューで食べたものが懐かしく成って自分で作ってみた。
ハムと野菜をアーリオ・オーリオで炒め、
ウチにはトマト・ケチャップが無いので代わりに
ホール・トマトの缶詰を使い、塩胡椒と赤ワインを少々
ゆで上がったパスタと絡めて
パルメザンチーズをかければ完成!
でもイタリアのナポリには無いらしい。

頂き物の骨付きハムを削ってレタスやオニオンスライスと
サンドイッチ。
マヨネーズに洋辛し=マスタードを混ぜるとパンチが効く。
薄めのアメリカン・コーヒーが良く合う。

そのハムを削り取った骨を野菜と煮たポトフを先日紹介したが
それに更に玉葱を炒め、チキン・スープを混ぜ
カレーパウダー、ガラムマサラ、コリアンダー等の
スパイスを入れたカレー。
なんとなくサラッとした味になったのは
トマトを入れるのを忘れたからだが、それでも充分なコクがあった。




Disco Lies-Moby
今日のモービーのヴィデオは、やたら面白い。
”ディスコの嘘”というタイトルには
寓意が込められていて
いわゆるファースト・フードに対する
批判が入っている。
漫画家・山上たつひこが書いた初小説
「ブロイラーは赤いほっぺ)にも
似たようななテーマが有ったが巨大化すると
鶏はあの嘴と爪が恐竜みたいで怖いね。
(日本映画・女優編)
浪速千栄子(1907〜1973)
地方に行くとホーローで出来た看板の水原弘のアースと
彼女のオロナイン軟膏が目に入る。
彼女の本名は、なんと南口キクノ(なんこうきくの)。
冗談みたいだが本当の話だ。
それは、さておき彼女は8歳の時から女中奉公に出され
”おしん”の様な苦労をしている。

京都で女給をしたのち18歳で劇団に入り、1926年
東亜キネマから香住千栄子の名でデビューする。

1930年渋谷天外と結婚し松竹新喜劇の看板女優として
活躍するも渋谷天外が劇団の新人女優との間に子供を作り
それを機に離婚し退団する。
一時は芸能界から身を引いていたらしいが
ラジオの花菱アチャコの番組「おとうさんはお人好し」で
人気が出て映画界に復帰する。
溝口健二の「祇園囃子」豊田四郎の「夫婦善哉」
小津安二郎の「彼岸花」特に内田吐夢の「宮本武蔵」で
演じた、お杉婆の強烈なキャラクターや
勝新太郎との「悪名」で演じた因島の女親分役は忘れがたい。
そして吉永小百合の「伊豆の踊子」の母親役
彼女の長い芸歴に重なる優しさと強さがあった。
同じ関西の舞台から出て来たミヤコ蝶々と比べてみると
彼女の持っていた品の良い色気は
関東で云えば”粋な”,関西では”はんなり”とした
と表現されるもの、それが彼女の出演した
日本映画の名作に見事に定着している。

2013年1月26日土曜日

”鰤納豆”
先日の鰤をヅケにして置いたもので朝ご飯。
刺身の保存には此れがイチバンだ。
山葵には魚の鮮度を保つ効果があるのだ。
味噌汁はシジミ
三つ葉が生臭さを消してくれる。
納豆は葱を刻んで。
途中でご飯の上で鮪納豆ならぬ
鰤納豆を作って海苔で巻いた。

Everyday It's 1989 - Moby 
相変わらずモービーの曲に集まってくる
映像は変なものが多い。
今日の此れもグレゴリーという奴が
6ヶ月間、自分の顔を取り続けたものだ。
顔には髭が伸びたりおデコには怪我をしたり
しているが一切説明なし。
途中で入る泳ぐカンガルー?の様なインサートも
なんだか解らないが面白い。
面白いと云えば、もう一つの此れも
モービーのそっくりさんが
当たり前の生活をしているように見えて
木にしがみついたり変だ。
彼の曲が狂気を呼ぶのだろうか?

(日本映画・男優編)
吉田義夫(1911~1986)
私が中村錦之助や東千代ノ介の東映時代劇に夢中だった
子供の頃、その敵役を一手に引き受けた悪役俳優達が居た。
彼らは交番の前に張られた指名手配犯の様に私には思えた。
その筆頭に上げられるのが、此の吉田義夫だ。
その悪い目付きで歌舞伎の見栄を張る様に錦ちゃんや千代ノ介を
嬲(いたぶ)る場面に彼を心底憎らしいと思ったものだ。
しかし彼は俳優に成る以前の戦前、京都市立芸術大学を出て
法隆寺の修復をしていたと云う変わり種。
戦後いくつかの劇団を経て東映の俳優に成ったという。
先に書いた様に、もっぱら悪役専門
東映時代劇全盛期の屋台骨を支えた1人だった。
彼は只の役柄で悪人を演じていただけなのに実生活でも憎まれ、
タクシーの乗車拒否に有った事もあるらしい。
晩年は好きな油絵を描いてのんびり過ごしていたようだが
山田洋次の「寅さん」シリーズ冒頭の夢のシーンの悪役で
起用され、笑わせたのは、まだ記憶に新しい。


進藤 英太郎(1899~1977)
上の吉田義夫より押し出しが強いので彼の上を行く悪を演じていたのが
此の進藤 英太郎。
彼の経歴が又,波瀾万丈。
戦前の九州から北海道を行ったり来たり悪い事を・・・じゃない
  商才に長けていたらしく結構稼いでいたらしいが
子供の頃からの芝居好きが高じて劇団入り
幾つかの劇団を渡り歩き映画に出演する様に。
溝口健二の「浪速悲歌」「祇園の姉妹」での脇役として評価を得る。
とにかく溝口の作品の常連として
または黒澤明や成瀬巳喜男の名作に足跡を残しているが
その後、東映の専属として敵役専門で活躍する。
私が彼を観たのも此の頃だ。
本当に憎にくしい演技はリアルで”あんな悪い人の娘では”と
娘の縁談がパーになったと嘆いていた。
それでもテレビでは「破れ太鼓」、東宝の「クレイジーもの」で
癇癪持ちのコミカルな演技を披露し
悪役からのイメージ・チェンジを計り、成功した
中々の商売人である。


月形龍之介(1902~1970)
上の二人より更に悪知恵が働く悪の総本山みたいな役は
この月形龍之介が一手に引き受けていた感がある。
ドスの効いた、その声に貫禄が有ったわけだが
それもそのはず彼は戦前のサイレント時代から
チャンバラ映画に出演し、坂妻こと阪東妻三郎との対決で
迫力有る演技を見せていた。
黒澤明の初期の作品「姿三四郎」の檜垣源之助役の
狂気は印象深いし「ジャコ万と鉄」のジャコ万役も
三船敏郎の鉄を上回る獰猛な役造りが鮮烈だった。
その彼がさんざん錦ちゃんを虐めた悪役から、
突然、初代の”水戸黄門”に転身したのは驚いた。
それまで”極悪人”だと思っていた私は戸惑ったが
助さん格さん役に、錦ちゃんと千代ノ介を従え
その腰の据わった風格有る演技に納得した。
晩年”東映集団時代劇”というジャンルに分類された
工藤栄一監督の「十三人の刺客」という作品で
彼が1人で大名行列を阻む役を演じたのも
彼ならでは存在感であった。

2013年1月25日金曜日



” はんばのり”
伊東の魚屋の隣りに在った八百屋が潰れ
魚屋で農家が直に卸している野菜が新鮮で安く手に入る。
それで昨日も刺身と一緒に、ほうれん草を買って来た。
茹でても何処かのスーパーのように量は減らない。
先日頂いた”はんばのり”は良く干してあり
そのまま食べられるが、少し炙ると更に香りが立つ。
そして、まだ浅いイカ刺しの腸和えの様な塩辛。
一見、想像もつかないだろうが
この3つを手元で組み合わせ、頬張ると
何とも云えない酒の肴が出来上がる。
はんばの香りに、ほうれん草の甘み、そして塩辛のコク
まあ魚屋の女将さんイチオシの寒ブリの刺身も
到底かなわないのだ。

あっ、そうそう例のポトフだが昨日のランチに。
小麦粉とバターを炒めてポトフに入れ
削ったハムを少し足し、ホワイトスチューに。
胡椒とパセリを刻んでたっぷり載せた。
クロワッサンとのコンビで気分はヨーロッパ。
まだ、ベースは残してあるから
今夜はイタリアンにするかカレーにするか?


257.zero - Body
 此れも昨日に続いてアルバム”Last Night"からの1曲。
モービーは此のヴィデオを作る時のオーディション
先に出した”Play"というアルバムの”Bodyrock”で
既に、そのまま使っているが
その中から再び1人を選び、此の曲で踊らせている。
何となく全体に色んな意味で”危ないカンジ”は狙ったものか
どうかは定かでない。
とにかく奇妙なヴィデオである事は確かだ。
(日本映画・女優編)
三益愛子(1910~1982)

彼女を観たのはテレビの舞台中継「がめつい奴」だ。
それは1959年昭和34年だから私は13歳の時になる。
東京オリンピックの前年、まだ日本が高度経済成長以前
国民が皆ハングリーで”ケチで何故悪い!」と開き直った
菊田一夫原作演出の此の舞台は子役の中山千夏の好演も有り
上演回数371回、ロングランのヒットとなった。

しかし彼女の履歴を遡ると戦前の昭和7年
榎本健一の劇団「笑いの王国」から始まっている。
当時、飛ぶ鳥を落とす人気のエノケンを相手に
劇団の看板女優となり、映画舞台と活躍したが
直木賞作家の川口松太郎との間に子供を産み(川口浩)
未婚の母として育て、戦後1951年まで入籍できなかったという。
しかし川口が大映の専務取締役として就任すると共に
大映のいわゆる”母もの”映画が大ヒットし
10年間でナント33本ものシリーズが作られた。
つまり戦前戦後の動乱の時代を生きて来た世代の辛酸を
此れでもかと彼女が演じる事により
観客は、泣くという浄化作用でカタルシスを得たのだろうか。




望月優子(1917〜1977)
先の三益愛子と同じく”母もの”映画で観客の涙を絞ったのが此の女優。
デビューも三益と同じく戦前のムーランルージュ新宿座と
ボードビルの舞台出身、戦後は滝沢修の劇団民芸に参加。
映画は松竹と契約し「日本の悲劇」「おふくろ」「荷車の歌」と
木下恵介や成瀬巳喜男に小津安二郎そして山本薩夫など
名匠たちの作品の中で
三益愛子とは違う日本の貧しい泥まみれの母親を演じた。
苦労した割りには報われず、子供に裏切られる無知な母親役は
三益愛子のそれより現実的で、観ていて
私は、やるせない気持ちにさせられる事が多かった。
しかし彼女自身は演じた役とは裏腹に
1971年の参議院選で社会党から出馬し当選。
落選した1977年まで代議士を1期務めた才女であった。