「東京暗黒街・竹の家」:サミュエル・フラー監督作品
此のポスターを見る限り、「007は2度死ぬ」並みの
”変なニッポンが一杯”映画で有る。
監督サミュエル・フラーはユダヤ移民ながら
米兵として実戦を戦ってきた軍人上がりの監督。
ヌーベルヴァーグの監督ジャン=リック・ゴダールに
フィルムノワールの監督としてリスペクトされ
「気狂いピエロ」に出演”映画は戦場だ!”等と言ってる。
しかし此の映画が製作されたのは1955年だから
戦後10年は経っている筈なのに異国情緒を狙った
監督サミュエル・フラーの演出で明治時代の様に
日本女性も子供も殆ど着物を着ている”変なニッポン”が登場する。
それでもアメリカ側の強引な要求で無理矢理ロケしたと思われる
銀座、上野、浅草、鎌倉、山梨の映像は絵葉書の様だ。
オープニングに銭湯の絵のような富士山をバックの列車強盗は
既に電化が進んでいた富士急行に蒸気機関車はあり得ないだろう。
まあ外国人にとって富士山は日本の象徴らしく欲しかったとみえる。
いちいち”変なニッポン”のアゲ足をとっても仕方ないので
シネマニアックに言えば主演のロバート・スタックは
その後TV「アンタッチャブル」のエリオット・ネス役だし
敵役のロバート・ライアンは「ワイルドバンチ」のリーダー
日本警察の刑事役はハリウッド通りに星形のある早川雪洲
ヒロインのマリコ役は李香蘭こと山口淑子がシャーリー・ヤマグチと
キャスティングだけでも面白い。
監督サミュエル・フラーにとって日本は戦前の敵国
まだ占領国のイメージGHQも強かったのかな?
確か東京空襲を仕組んだ米国の将軍は
”日本の家は木と紙で出来てるから焼夷弾が効果的と云った筈。
タイトルの”竹の家”は其処からかも知れない。
クライマックスの拳銃の撃ち合いシーンのデパートの屋上は
子供用の乗り物が沢山あって
銀座の松屋か浅草の松屋か観ていたら浅草寺が映った。
そんな事を考えながら観るのも楽しい。
此の映画、何か別の映画を日本に置き換えたリメイクらしいが
松本清張の「日本の黒い霧」と同じ背景だから
脚本をちゃんとすればもっと面白い作品になった筈だ。
それにしても監督サミュエル・フラーの演出って雑だなあ(笑)