2015年4月30日木曜日

SOUL TO SOUL 永遠の1曲「ライオンは寝ている」
いつも静かな画像で始まる此の番組が好きだ。
誰でも知っている有名な曲を取り上げ
その曲が生まれた背景を探る此の番組は、自分もブログで
「今日の1曲」をやっているので、とても参考になる。
此れまで10ccの「アイム・ノット・イン・ラブ」等
当時の録音スタッフを現地に訪ね、取材するだけでなく
日本のミュージシャン鈴木慶一くんが出て、
そのサウンドの複雑な仕掛けを解説したりと
音楽好きなら解る、そのツボを心得た構成に感心する。
此の日はトーケンズのヒット曲「ライオンは寝ている」(1961)
だったが、此の曲、実は南アフリカのソロモン・リンダの
作った「Mbube」(1939)が、原曲と言うのを私は初めて知った。
しかも、それがアメリカン・トラッド・フォークの祖
「花はどこへ行った」のピート・シーガーに取り上げられ
彼のカーネギー・ホールのライブ盤を聴いた
若い”トーケンズ”がレパートリーにし
レコーディングする時に歌詞と構成を組み立て直したと言うのだ。

確かにアフリカ音楽はループ状で1つのフレーズを
繰り返しているが、それではポップスとしては単調だ。
それにソロモン盤ではサブ扱いだったメロディーを
メインにし、歌詞を付けたのがヒューゴ&ルイージそして
デビッド・ワイズという3人組ソング・ライター・チーム。
しかもアレンジにオペラ歌手のソプラノまで付けて
歌ったトーケンズはビーチ・ボーイズの様なポップ・グループ
彼ら自身まさか此れほどヒットするとは思いもよらなかったと。
そして今、此の曲でコンサートが世代越えて盛り上がるのを
心から喜んでいた。
そして原曲を作った南アフリカのソロモン・リンダは、
とっくの昔、貧困の内に亡くなっていたが
その後、著作権使用料をレコード会社から受け取り
残された彼の娘達3人は父の墓を建てる事が出来たと
父を忍んで涙を流して歌う此の原曲に、観る方も心を打たれた。
最後にトーケンズのメンバーの1人が此の唄は
ララバイ=子守唄なのだと
”今、ライオンは寝ているから、貴方も安心してお休み”

とかく観るに耐えないものが多い今時のTVで
真っ当な番組を地道に作り続けている
此の番組の制作スタッフに、エールをおくりたい。
メグ・テリー(1960~)
彼女の顔に何処か親近感を覚えるのは
彼女はモンゴロイド、つまり
中国系アメリカ人とアイルランド、フィンランドそれに
ネイティブ・アメリカンの血を引くからだろう。
デビューはアラン・パーカーの「フェイム」
大勢の中のダンサーだったから目立たなかったが
ヒロインに抜擢されたのは「サイコ2」
アンソニー・パーキンス主演の有名なスリラーの続編
彼女は前作を知らず”サイコ”パーキンスの気を悪くしたとか?
此の辺りから、その”聖少女”的と云うか
例えるに”ハムレットのオフェーリア”の様な
儚(はかな)くも危うい魅力が輝き出したが
此の「アグネス」は、その絶頂期、病的なまでの美しさで
尼僧役を演じゴールデン・グローブ助演女優賞を見事に獲得。
その後、当時人気の二枚目俳優ロブ・ロウを相手に
「マスカレード/甘い罠」のヒロインを演じた。
此の映画つい最近、TV放映があったが
彼女のエキセントリックな演技がスリラーの
総てに緊張感を支えたと云って良い。
ジャック・ニコルソンの「黄昏のチャイナタウン」も
ポランスキーの続編だったが、監督もした
ニコルソン相手に近親相姦で生まれた娘を
またしても危うい感じで演じ、作品として面白く成った。
その後、何本かの作品に出演しているが
今ひとつ目立たないのは歳を重ね、その容貌に
オフェーリア的な”儚さ”が消えてしまったせいか?
少女は、その儚さ故に尊く美しい。
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 Tin Tin Deo - Dizzy Gillespie Quintet 
此の”ティン・ティン・ディオ”はキューバ出身のコンガ奏者
チャノ・ボソが口ずさむメロディをディジー・ガレスビーが
譜面に書き起こした曲。
(左がチャノで右のベレー帽がディジー)
ノリの良さと哀愁の有るメロディーが
チャノの育ったキューバを想い起こさせる。
彼はハバナのスラム生まれ、少年院でパーカッションを覚え
第二次大戦後アメリカに渡り
此のディジー・ガレスビーの楽団に入る。
モダン・ジャズにラテンの要素を持ち込んだディジーの
片腕として活躍したが、ハーレムの麻薬がらみの喧嘩で
33歳の若さで殺されたという。
此の曲、時代を超え今でも沢山のミュージシャンに
愛されカヴァーが多いので暫くシリーズに。
蕪と生ハムの炒め物に、トリッパ
去年、個展で使った生ハムも、もう少しで終わり。
流石にビーフ・ジャーキーの様になった、それを蕪と炒める。
ニンニクの効いたオリーブ・オイルは
先日アヒージョをやった時の”兄貴”。
生ハムの塩気とニンニクで味付けは何も要らない。
今回
上野のキムチ横町で買って来たハチノスを圧力釜で下茹で
更にセロリ、エリンギ、ピーマン等を加え
ホール・トマト1缶、鶏ガラスープ、アンチョビペーストを
全部入れて再び圧力を加えるとアッと云う間に
トスカーナ名物の”トリッパ”が出来上がる。
此れを
フランス・パンに吸わせると赤ワインの肴に最高!

2015年4月29日水曜日

ハビエル・マリスカル(通称”マリスカル”)
彼は私のヒーローだ。
全作品が載っている本は私にとって”バイブル”
かなり昔だが、スペインに行った時、丁度
バルセロナ港の埠頭に横付けされた廃船の中で
彼の個展が開かれていた。
近くには彼がデザインした大きなロブスターを
屋根に載せた洒落たCAFEが在り、
そこで飲んだサングリアが冷たくて旨かった。
彼はバルセロナ・オリンピックのマスコット”コビー”の生みの親
スペインを代表する有名なイラストレーター というだけでなく
モダンな線と色彩の絵本作家としても素晴らしいセンスを感じさせる。
また彼はTシャツやカーテン等のテキスタイルに
ユニークな食器や家具のデザインまで手がけている。
いったい、誰が此んな洗面台を考え、商品化 しようと思いつくだろう?
合理性には向かないが、人間の生活には”遊び”と云う”ゆとり”が必要だ。
それを本気でやり続けている彼は凄い!
そして最近は此んなスケールの大きい五つ星のホテルまでデザイン
その勢いは止まらない。

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Lindeza :  Caetano Veloso Ryuichi Sakamoto Jaques Morelenbaum
今日の阪本龍一はチェロのモレレンバウムに
当時、「粋な男」のアルバムが世界中でヒットしていた
カエタノ・ヴェローゾを迎えて
いや、カエタノのライブにピアノで参加したと
言うべきだろうか?
とにかく、目を瞑ればジョヴィンに成り切った
坂本の入れ込み様が面白い。
地球の反対側で言葉も違う人々と自由にセッション
出来るなんて、やはり”世界のサカモト”らしいな。


上野・中華料亭翠鳳
宇佐美に戻る時、いつも東京駅からだったが
東海道線と宇都宮線が繋がって
上野から乗った方が座れる事に気が付き
昨日昼頃、車を持っている友達と待ち合わせ
いつかTVの番組で観た上野の此の店へランチに。
上野駅の真ん前ビルの地下、少し判りにくい入口から
おずおずとレッド・カーペットを下りると
ご覧の様な ”竜宮城”も、さもあらんと言う
豪華絢爛たる中国宮廷インテリア。
更に,案内してくれたホステス達は美人ぞろい。
チャイナ・ドレスは身体のラインが、くっきりと浮き上がり
パンティを穿くのが無理な位、スリットが腰まで切れ込んで
(上の写真よりずっと上まで)
彼女達が、かがんでテーブルをセットする度に目は奪われ
注文したランチのジャージャー麺と蟹肉焼飯の味は
もう、どうでも良く成った。
男なら、昼から秦の始皇帝気分が味わえ
杏仁豆腐と珈琲まで付いて1750円と此れは、お得!

2015年4月28日火曜日

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 Amor Em Paz : Morelenbaum2/Sakamoto 
モレレンバウム2と記してあるのは坂本龍一の両脇に居る
モレレンバウム夫妻の事だ。
右がチェリストのジャキス、左が妻でヴォーカルのパウラ。
此の2人と坂本とのセッションでアルバム「CASA」は生まれた。
故・ジョヴィンとも共演していた彼ら夫婦と
ジョヴィンがレコーディングしていたスタジオを使い
ジョヴィンが弾いた同じピアノを坂本が弾くという
徹底したジョヴィンへの拘りが”ボサノヴァ”のルーツ探しに
繋がった訳である。

2015年4月27日月曜日

神田・丸香うどん
世の中には抜け道と云うものがあり
”通”と呼ばれる人は、それを上手に使う。
昨日も此の丸香うどんには昼前後、長〜い行列が出来
遅く着いた私は食べるのに最低30分以上と覚悟した。
若いサラリーマンや学生と一緒に並ぶのは平気だが
浅草から約45分かけてペダルを漕いで来ると
流石に足は棒になり、立ち続けるのはキツく成って来た。
ようやく順番が近づいて来た頃、突然
チャリを店の前に横付けし、列には並ばず
店員に何やら話しかけ,入口の横に立つ老人
割り込みか?否どうやら此の店には”立ち食いコーナー”
なるものが在るらしいのだ。
通りに面した1卓の机なら、長蛇の列を差し置いて
ナント最優先で食べられるらしい。
此の店のオーナーか?店長のアイディアか?
時間が無い人の為に考えた”粋”な計らい。
間もなく、店内から運ばれて来たのは
カリッと揚がったイカの下足10本の天婦羅200円に
薄味ながらダシの良く効いた、かけうどん380円。
それにプラス20円の讃岐直送スダチ絞りが渋い。
此れを満面の笑みを浮かべて
歯が無いのか?喉越しが良いのか?噛まずに
ツルツルとすすり上げる”通”の爺さん。
どう見ても70歳近くのご高齢に、ピアスまでしている。
まだ4月と云うのに、もう初夏の陽射し
食べ終わるや否や、疾風(はやて)の様に立ち去った
その姿は白日の夢か幻か?
ジャケットをクリック
  O Grande Amor : Morelenbaum2/sakamoto
坂本龍一と云えばYMOだからテクノと思いがちだが
音楽的には対局とおもえるボサノヴァの巨匠
故アントニオ・カルロス・ジョヴィンを敬愛していて
彼への熱い想いを胸に現地ブラジルまで足を運び
此のアルバム「CASA」を作っている。
ジョビンの伴奏者だったモレレンバウム夫妻を迎えて
ジョヴィン愛用のピアノを借りて演奏しながら
そのままジョヴィンのカヴァーではなく
ピアニストとしても一流な彼らしいアレンジが素晴らしい。
画面では若々しい彼も今は喉頭がんで闘病中
噂では煙草の吸い過ぎとか
まだ喫煙を止められない方,出来るだけ早めに
お止めに成ったほうが良いと思いますよ。
浅草・茶寮一松
昨日、武蔵野美術大学の同窓会で此の料亭に。
外人が喜びそうな日本情緒たっぷりな設えに
料理は懐石。
先付けに翡翠色の冷やし茶碗蒸し
胡瓜帆立の油酢浸し
お造りは季節の魚
温肴はたらの芽、蓮麩など
焼物に目鯛の若狭焼き
止肴に稚鮎南蛮漬け
デザートは豆乳プリン・・・と
豪華なフルコース。
同窓会といえど暫く出席していなかったで
去年の個展に来てくれた人以外は
誰が誰やら判らない。
机の上の名札を頼りに記憶を呼び戻せば
二十歳の頃の面影が・・・というのも
無理なくらい皆さん変貌を遂げて
よく解らないまま、適当に話を合わせる。
予定通り午後3時に、お開き。
地元だから2次会の店を案内せよ!という幹事に
18人ぞろぞろ伝法院通りからホルモン横丁へ。
皆さん美大出身者らしくバラバラで協調性が無く
おまけに可成りの高齢者の酔っぱらいだから
案内人も迷子に成るのではないかと気が気では無い。
日曜日の浅草の混雑は半端では無く,どの店も満席
むかし通った居酒屋・荒井屋(へその店)を思い出し
昼の休みで締めていた店に無理矢理全員押し込む。
大きさと云い,羽子板の雰囲気と云い、
何だか2次会に予約していた様にピッタリの店だった。

2015年4月26日日曜日

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QINHO – Irmã Forte part. especial Amora Pêra
ブラジル音楽の新しい風,今日は
シンガー・ソングライターでもあるキニーニョ
もはや、ボサノバのジャンルには入らないが
見かけの暑苦しさとは裏腹
サンパウロの朝早い爽やかな風を思わせるサウンドは
ブラジルの新しい音楽の担い手と期待されるのも頷ける。