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2025年12月6日土曜日

大滝秀治 (1925~2012)
此の俳優の顔を覚えたのは熊井啓監督の「日本列島」(1965)
確かGHQのスパイで出ていたのを記憶する。
主人公の新聞記者役宇野重吉を遠くから見ているだけで台詞無し
それでも戦後日本の”闇”を追求するポリティカルスリラーの
画面の端に悪霊の様に彼が居るだけで怖かった。
彼はもうとっくに亡くなっているが今再放映されている
勝新太郎の「痛快河内山宗俊」に豪商・森田屋役で
表は海産物問屋、裏はぬけ荷(密貿易)に関わり
陰で海外渡航を手助けするリベラルな男として
河内山宗俊とは着かず離れずの怪しい関係。
その無表情な気味の悪い顔が勝新を食っている。
調べたら、宇野重吉あとの劇団民藝の看板俳優
日本映画で数々の受賞に輝く大御所。
まあ晩年は流石に、その演技力がh評価され悪役だけでなく
TVドラマ「うちのホンカン」等で老警官役や、
CMで温かみのある飄々としたオジさんに化けたが・・・。
後年、黒澤明と並び”年寄りは肉を食え!”と





 

2025年5月17日土曜日

丹波哲郎 (1922~2006)
この俳優はStaedust Memoriesに出しても良かったが
まあ、余りにも普通の俳優では無いので・・・。
昨夜見た「家政婦は見た〜第7作
「華麗な一族の怪しい秘密 財テクゲームの危険な落し穴」(1989年)
の再放映に、相場師・金三役で出ていた。
”貴女と私は似ている”と市原悦子を口説く役は
何処までが彼が本気か嘘か分からなくピッタリ。

業界では遅刻と台詞を覚えてこない常習犯として
そしてまた態度の大きい俳優として有名だった。

昔、私は残業で遅くなり、新宿の会社から中野坂上まで
タクシーを使ったが運転手が新大久保通りで
”丹波哲郎さんの実家は此の辺りから、その先までの
土地を持っていたそうですよ!”と。
”ファミリーヒストリー”では無いが
彼の先祖を遡ると天平時代まで繋がっていると。
虚言癖が有ったから何処までが本当か分からないが
兎に角、彼の言葉は演技以前の説得力があり
あの偉そうな雰囲気で話されると誰もが納得せざる得ない。
終戦直後GHQで通訳をしていたらしいが
本人は余り英語は得意ではなかったと。
それいて「第七の暁」「007は二度死ぬ」と国際スターとして
足跡を残しているのは英語が得意じゃなきゃ無理。
イタリアにも呼ばれマカロニウエスタン「5人の軍隊」では
イタリア語の台詞を覚えるのが嫌だからと
声の出ないフリをする日本人で通し最後に一言喋り
なんだ、声は出るんじゃ無いか!と。
そして見せ場は汽車から落ち、山を越えて走り
その汽車にまた飛び乗ると言うアスリート並みの演技をした。
それから今村昌平の「豚と軍艦」では
胃癌と宣告され、汽車に飛び込もうとするが
いざとなると恐ろしくなり脇の電信柱にしがみつくと言う
スリリングな演技もしている。
後でレントゲン写真は違うやつの物と別るのだが。
兎に角ふだん偉そうにしているから三枚目も笑いが取れる。
晩年、映画「人間革命」に出演前後から
彼は”心霊界”なるものに凝り
死後の世界が見える・・・とオカルト的な方向へ。
まさに”怪優”に成ってしまったが
あの顔と声で何やら唱えられたら誰もが催眠術にかけられてしまうだろう。
死んでから分かった事は彼は実は無宗教。
だから戒名も無かったらしい。

2025年4月1日火曜日

本田博太郎(1951~)
ここに登場させるのは、遅きになるが正に怪優中の怪優である。
彼がブレイクしたのは蜷川幸雄の「近松物語」で、
腰を痛め降板した平幹二朗の代役に抜擢され一躍脚光を集め
その後、同じ蜷川幸雄の「ロミオとジュリエット」で
ゴールデングローブ新人賞を得た事であった。
しかし、早坂 暁脚本の異色映画「北京原人」辺りから
その普通でない”危ないキャラ”が目立ち始め
(何せ毛深いが全裸の”北京原人”だからね)
彼も、自分で意識して居るのか、出てくる度に
画面の中で、正に異彩を放つ様になって来た。
先日の「御家人斬九郎・三十六人斬り」でも
残ばら髪に青白い顔、眼を赤く縁取り
まるで生きながらにして獄門台の首の様なメイクで登場
情け容赦なく人に熱湯をかける極悪人を演じた。
そうかと言えば「京都人の密かな愉しみ」では
主人公の娘の父親役で頑固ながらも優しい職人を演じた。
兎に角、役に余裕を持って演じているので
観るものは楽しめる。
それはプロ達も感じるらしく、あの今をときめく
宮藤官九郎や阿部サダヲのバンド「グループ魂」の
レパートリーに”本田博太郎”という曲がある位。
そのヴィデオクリップに彼が出演というか
出まくっているのが呆れる。
↑クリック
CMにも、結構起用されて、
何だか訳の分からない事をやっている。





2025年2月15日土曜日


クリスチャン・ベール (1974〜)
前回のバッド・コートに続き子役俳優に思われるだろうが
彼はスピルバーグの「太陽の帝国」で4000人のオーディションを
勝ち抜いてデビューした強者(つわもの)だ。
その彼は”子役は大成しない”という定説を覆し
上の写真の通り、役ごとにガリガリに激痩せしたり
ブヨブヨに太ったりと、あの「アンチャブル」のカポネ役で
太ってみせたロバート・デ・ニーロみたいに、変身に次ぐ変身と
まるで衣装を変えるように肉体改造をしてしまうのだ。
昨夜観た「アメリカンハッスル」では冒頭
いきなり蛙のような腹のアップで始まりツルッ禿げに増毛をする
場面から始まった。
しばらくは此の役者クリスチャン・ベールじゃ無いよな?と
思いつつ話は展開し、うんやはりクリスチャンだと気付く迄
時間がかかった。
まあ詐欺師の話だから変装しても不思議は無いが、
肉体や頭髪まで実際に変える詐欺師はそう居まい。
兎に角、デビューした美少年から程遠い姿に呆気に取られた。
実話だという映画の内容は、騙し騙され結局
政界スキャンダルに発展した収賄事件。
とことん主人公のクリスチャン・ベールが大ぶりな演技で押し通し
こちらは話について行けず呆気に取られて終わった。
なんと此の演技で見事にオスカー主演男優賞。
兎に角、「バットマン」に「ターミネーター」とマッチョな筋肉男を
ベースに20kgくらい太ったり痩せたりと演技と同じように
体型も変える此の俳優、”怪優”と言わずしてなんと呼ぼう!