2021年7月31日土曜日
CINEMA JAZZ #15
危険な曲がり角(1958)Les tricheurs:Stan Getz キ Roy Eldridge
「危険な関係」はアート・ブレイキーのモダンジャズで
日本ではヒットしたので、公開されたのが後ではあるが
先に作られた此の映画にも”危険な”という邦題が付けられた。
まあ、マカロニウエスタンに”荒野”や”用心棒”が付いたのと同じ。
本当の題名は”Les tricheurs=詐欺師”
兎に角、此の映画には当時人気あったスタン・ゲッツ等が
音楽を付けており、モダン・ジャズマニアには貴重な作品だ。
監督は「天井桟敷の人々」で有名な
戦前戦後のフランス映画を代表するマルセル・カルネ。
彼は、後で又登場させるが「マンハッタンの哀愁」という作品で
マル・ウォルドロンのピアノでモダンジャズを使っている。
2021年7月30日金曜日
カール・マルデン(1912~2009)
録画していたヒッチコックの「私は告白する」(1958)を観たら此の俳優が出ていた。
特徴のある大きな鼻はマーロン・ブランド主演の「片目のジャック」で
極悪非道の役を見たら忘れる事はないだろう。
その顔が、彼の両親がセルビア出身という訳でも無いだろうが・・・。
兎に角「私は告白する」でも純粋無垢な牧師のモンゴメリー・クリフトを
トコトン追い込む鬼刑事役を憎たらしく演じていた。
それもその筈、エリアカザンの「欲望という名の電車」(1951)で
アカデミー助演賞をとっているのだから。
此の映画には、他にもO・E・ハッセというドイツ人俳優が出ていた。
O・E・ハッセ(1903〜1978)
彼はロジェ・ヴァディムの「悪徳の栄え」や、
コスタ・ガブラスの「戒厳令」にも出ている、
まさに国際的な悪役。
冒頭から彼の確かな演技で此の映画を引っ張る。
コイツが又凄く悪知恵の働く役で告解をワザとして
告解は外に漏らしてはいけない事を信じている主人公に
殺人の濡れ衣を着せる。
映画が公開された頃は第二次世界大戦後で
プロレスの日本人悪役ハロルド坂田やグレート東郷同様
ドイツ人の悪役は米国では更に効果的だったろう。
CINEMA JAZZ #14
殺られる1959 - Des Femmes Disparaissent - Art Blakey & Lee Morgan
最近では”やられた”という言葉は感動したという意味にも
使われているが、此の映画は”殺”を使って”殺られる”という造語を
配給会社が勝手に題名につけた。
Des Femmes Disparaissent=女が消える
マルセイユを舞台にギャングの人身売買と戦う男の話。
監督はエドアール・モリナロ。主演はロベール・オッセン。
音楽を「危険な関係」のアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズ
作曲は当メッセンジャーズに参加していたサックスのベニー・ゴルソン。
映画のフィルムノワールな雰囲気が此の音楽から伝わる。
2021年7月29日木曜日
2021年7月28日水曜日
2021年7月27日火曜日
CINEMA JAZZ #12
夜(1961)Lettura della Lettera : Giorgio Gaslini
此の時代、イタリアにも新しい波は起こっていた。
しかしフランスとは違い映像は、それ程凝っていなかったが
脚本に、むしろ本家フランスのアンチ・ロマン的な当時の男女関係の愛の不毛を描く監督が現れた。
その名はミケランジェロ・アントニオーニ。
イタリアン・ネオ・リアリズモからの展開で心理描写に重点を置く内容は当時20歳前の私には難解そのもの、欠伸をして眠気を我慢するのに精一杯。
今、聴けばジョルジュオ・ガスリー二のモダンジャズがクールで格好良い!
そして”ヌーベルヴァーグ”のDIVA=女神ことジャンヌ・モローとイタリア随一の色男マルチェロ・マストロアン二との競演は流石に見応えがある。
CINEMA JAZZ #11
「赤と青のブルース」(1961)Saint-Tropez Blues :Henri Crolla
此の映画は私が高校一年の時に栃木の映画館にやって来た。
海無し県に育った私に、此のサントロペの海の青さは
生まれて初めて見た海、大洗海岸以上に、強烈な印象を残した。
そして此の映画で学校を抜け出しヴァカンスに出かける
マリー・ラフォレとボーイフレンドの自由な青春は
私に受験教育だけの高校から精神的なドロップアウトを決定付けた。
物語の中で彼らが転がり込む海辺の画家のアトリエには
ずっと憧れ続け、今の私の生活のベースになっている。
監督マルセル・ムーシーはトリフォーの脚本に参加しており
作品にヌーベル・ヴァーグの匂いが感じられる。
音楽のアンリ・クロラはイタリア出身のギタリスト兼ソングライター
ジャズにマンボにブルースと
まさに自由で変化にとみ、通して聴いて楽しめる。
「太陽がいっぱい」でも聴けたマリーの透き通った声は
ミントかハッカの様な清涼感があって
夏のカクテルに、とても良く合う。
2021年7月26日月曜日
CINEMA-JAZZ #10
大運河(1956) : M.J.Q.
記憶を頼りに映画が公開された年代別に
曲を紹介していたつもりだが此れを忘れていた。
監督は当時飛ぶ鳥を落とす勢いで
ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーブ、ジェーン・フォンダと
美人女優を総なめにしていたロジェ・ヴァディム。
彼はいち早く米国のモダンジャズに目を付け
此のヴェニスを舞台にしたドラマにM.J.Q.こと
モダンジャズ・カルテットのピアニストのジョン・ルイスを起用
オリジナルのスコアを書かせた。
後の「死刑台のエレベーター」の様にフィルムを見せて演奏させていないが
演奏はヴァイブのミルト・ジャクソンの透き通る音色が
効果的に”黄昏のベニス”を表現していて美しい。
M.J.Q.の絶頂期、計6曲彼等のベストアルバムと評価も高いし
最初にモダンジャズが映画の使われた歴史的な作品だ。
CINEMA-JAZZ #10
大運河(1956) : M.J.Q.
私の記憶を頼りに映画が公開された年代別に
曲を紹介していたつもりだが此れを忘れていた。
監督は当時飛ぶ鳥を落とす勢いで美人女優を総なめにしていた
ロジェ・ヴァディム。
彼はいち早く米国のモダンジャズに目を付け
此のヴェニスを舞台にしたドラマにM.J.Q.こと
モダンジャズ・カルテットのピアニストのジョン・ルイスを起用
オリジナルのスコアを書かせた。
後の「死刑台のエレベーター」の様にフィルムを
見せて演奏させていないが
演奏はヴァイブのミルト・ジャクソンの透き通る音色が
効果的に”黄昏のベニス”を表現していて美しい。
M.J.Q.の絶頂期、計6曲のベストアルバムと評価も高いし
最初にモダンジャズが映画の使われた歴史的なものだ。
2021年7月25日日曜日
2021年7月24日土曜日
CINEMA-JAZZ #8
土曜の夜と日曜日の朝(1960):John Dankworth
此の頃ドーバー海峡を渡ったイギリス映画にも
”新しい波=ヌーベル・ヴァーグ”は起こっていて
それは”怒れるる若者たち”運動と呼ばれた。
旧態依然の階級制度に縛られた英国若者たちの反乱
をドキュメンタリー風に描くものであった。
脚本は「長距離ランナーの孤独」のアラン・シトリー
監督は「裸足のイサドラ」のカレル・ライス
プロデュースは「蜜の味」のトニー・リチャードソン。
労働者階級の若者が恋人がいながら
週末だけ人妻と不倫することで自らを
解放する生活の破綻を描いている。
此の音楽にジャズ・プレイヤーのジョン・ダンクワースが
起用され英国モダンジャズが
当時の”怒れるる若者たち”の息吹を伝えている。
2021年7月23日金曜日
2021年7月22日木曜日
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