2013年5月31日金曜日

おウチで楽しむカクテル講座 #-34
コンチータ
Conchita
<レシピ>
テキーラ:グレープ・フルーツ=3:2
レモン・ジュース=2dash
全部をシェークしてカクテル・グラスに注げば良い。
出来ればグレープ・フルーツは生を絞りたい。

実は此のカクテル、簡単なので昔から作っていて
自分のオリジナルだと思っていたのだが
実は既に名前が有ったというワケ。

”コンチータ”と云う名前の響きはラテン系、
それも中南米辺り、なにせテキーラ・ベースだからね。
メキシコの若い娘のイメージと云うところ。
グラスの後ろの小さな仮面はピカソ風な女性の顔
それらしくないですか?




黙秘
此の邦題は適切では無い。
そうかと云って”ドロレス・クレイボーン”という主人公の名前
そのままのタイトルも解りにくいだろう。
あのスティ−ブン・キング原作の映画化だ。
先に「ミザリー」でアカデミー主演女優賞を獲得したキャシー・ベイツが
再び物語の主人公を演じている。
それにしても暗いストーリーで
私は録画して夜に観たからイイにしても、昼の時間帯に
こんな映画を見る人が居るんだろうか?と思ってしまう。
でも脚本が良く、演じている俳優が皆、素晴らしいので
最後までぐいぐい引き込まれた。
まずキャシー・ベイツだが、その個性的な風貌は
「ミザリー」ではサディスティックな部分で生かされたが
此の映画では裏をかいて耐える表情が素晴らしい。
物語をネタがバレ無い程度に話すが
プロローグはメイン州の小島で家政婦をしていた彼女が
20年以上使えていた女主人を殺したかに思える場面から始まる。
その事件に呼ばれた彼女の娘はN.Y.のジャーナリスト。
どうやら母親とは父親の死を巡って確執が有るらしい。
此の娘を演じるのがジェニファー・ジェイソン・リー
(TVシリーズ「コンバット」の俳優ビック・モローの娘)
その父親の死は事故死となっているが、実は
アル中で暴力をふるう夫を妻つまり母親が殺害したのでは無いか?と
彼女は思っているのだ。
その事件を担当した刑事が又、今度の事件も扱い
キャシー・ベイツを犯人として追いつめる。
此の刑事を演じるのが歳を重ねて渋さと巧さを出して来た
クリストファー・プラマー。
その憎々しさは”レ・ミセラブル”のジャベール警部の様。
此の2人の名優を相手に堂々たる演技を見せる娘役
ジェニファー・ジェイソン・リーが良い。
映画は過去と現在を激しくカット・バックさせながら進行するが
画面のトーンを過去は鮮やかに、現在を青いモノトーンで
撮っているので意外に解りやすい。
そして、それは余りにも悲惨で意識の外に自ら消してしまった過去
娘の記憶を呼び醒す事で効果的に使われる。
その事件の有った日は皆既日食
この海に囲まれた小島の日食を鮮やかに美しく捉えた映像が見事!
カメラマンはガブリエル・ベリスタイン。
余り聞かないが此の”日食”の映像だけで彼の名前を覚えておこう。
そう、この日食の日に総ての事が起り、
それぞれの運命が変わったのだ・・・と云わんばかりの
演出が成功している。
監督はテイラー・ハックフォード。
「愛と青春の旅立ち」でデビューした人だ。
最近ではレイ・チャールスを描いた「Ray/レイ」の出来が良かった。
良かったと云えば
冒頭に殺された女主人役を演じたジュディ・パーフィット。
この英国の名女優が凄い。
メイクもあるが30年位の老い方を見事に演じ
キャシー・ベイツとの雇い主、使用人の関係を越えた
女の友情が此の映画の鍵と成っている。
そんなワケで悲惨な物語なのだが、映画を見終わった後
どこか心が穏やかになり明るくなる。
長い日食の闇が過ぎた様な気分に浸れる。
それがスティーブン・キングや監督の意図したところだろう。
私が配給会社の担当なら此の映画を
「皆既日食」と名付けるが、更に解りにくいか?


 コイツが私を酷い目に遭わした鯵
干して焼いて食ってやった!
相変わらず骨が鋭く隙あらば口に刺さってやるという位
だったが脂がノッていて自家製だから当然塩気は少なく旨かった。
でも暫くは3枚に下ろすのはプロにまかそう。

もう冷蔵庫生活が気に入った様子の糠床は
2日周期で丁度良く漬かる。
でも左手で糠を掻き混ぜるのが面倒。

酒蒸しにするつもりで断末魔にしておいたアサリで
贅沢に味噌汁、だって飲めないんだから
身が大きくて甘くて今が旬だ。


Dimitri Tiomkin's World #-4
見知らぬ乗客(1951) -Dimitri Tiomkin
ティオムキンはスリラーも強かった。
此のヒッチコックの初期の作品でもサスペンスが盛り上がる
繊細なスコアを書き、場面に緊張感を作っている。
今日の映画は後にアラン・ドロンの「太陽がいっぱい」として
映画化されたハトリシア・ハイムスの原作を
あのレイモンド・チャンドラーが脚色に参加したという
とりわけ豪華なスタッフ・キャスティングだ。
ヒッチコックはテオムキンの音楽を気に入って
此の後「ダイアルMを廻せ」でも彼を再び起用している。
とにかくハリウッド映画界で此の頃のティオムキンは
どんな試合でも必ず決めてくれる絶対エースだったのだ。


2013年5月30日木曜日


 

宗田鰹のミートソース・パスタ
そんなワケで右手が使えなく成り
左手で全部食事を作らなくては成らないハメに。
幸い、前日のうちにミート・ソースは完成していたので
ショート・パスタを茹でて絡めるだけ。

サラダは適当に野菜を切ったりして
左利きの拳銃スプレー・ドレッシング。
檸檬を搾るのに左手は力が入らん。
それでもイタリアン・パセリとバジルが
どちらも料理らしくしてくれた。

勿論、化膿止めと痛み止めの薬でアルコールは抜き
正月から続いた、お酒の連勝記録?も残念ながらストップ。



Dimitri Tiomkin's World #-3
Red River Theme(1948)-Dimitri Tiomkin
西部劇ファンなら此の「赤い河」の面白さを知っているだろう。
ジョン・ウェインとのコンビで「リオ・ブラボー」
「エル・ドラド」「リオ・ロボ」とジョン・フォードとは
又ひと味違う西部男のロマンを追求した監督ハワード・フォークス作品。
(ボギーとも「脱出」「三つ数えろ」とハード・ボイルドもあるが)
とにかく職人監督というか映画の面白さを解っている人だ。
そして、映画音楽ファンなら此の映画のテーマ・メロディが
此の後に作られた「リオ・ブラボー」で
ディーン・マーチンとリッキー・ネルソンが歌った
「ライフルと愛馬」に成った事も判るだろう。
とにかく西部劇音楽のスタイルを確立したのは
後にマックス・スタイナーやエルマー・バースタイン等が出てくるが
ディミトリ・ティオムキンだったと言い切って良いだろう。


2013年5月29日水曜日

 チャイナタウン その3@-30



トントントンにズッキン・ズッキン
そんなワケで昨日は頂いた鯵と宗田鰹を夕方、叩きまくり
鯵は味噌と茗荷と大葉に酒を混ぜては叩くの繰り返し
宗田鰹は青唐とニンニクを混ぜてはトントンのトントントン。
宗田の骨から採ったダシで煮豆腐を作り実山椒をかけ
お吸い物代わり。
焼酎のソーダ割りで、豪華な1人宴会と成った。
ところが
夜中に右手の親指の先が痛みだし、電気を点ければ腫れている。
何じゃ此れは?と思い出したのは
鯵を捌くのに丁度NHKの”アサイチ”で「旬の鯵の食べ方」を
やっていて指で腸を出すと云うのをマネしたら
鋭い骨が指と爪の間に刺さっていた。
その時は大したことは無いと気にしなかったが
どうやらソレが化膿してズッキン・ズッキン。
今、此のキーボード打つのも痛いや。
こりゃ外科に行って診て貰った方がイイかな?
さて雨が降り出す前に行って来よう。

Dimitri Tiomkin's World #-2
スミス都へ行く(1939)-Dimitri Tiomkin
ルーズベルト時代篇の中で、此の映画が何度も引用された。
映画史に残る有名な作品だが不覚にも観ていなかったので
持っていたDVDを急いで観てみた。
アメリカ民主主義の理想と挫折を描いた此の作品は
監督フランク・キャプラの傑作だ。
そこに音楽・デイミトリ・ティオムキンの名前を見つけ
何だか嬉しく成った。

戦前の作品とは思えない脚本の面白さに編集のテンポの良さ
主演のジェームス・スチュアートの健気さに
ヒロイン役ジーン・アーサーの知的な美しさ
モノクロながら映像の新しさと・・・ひたすら感動してしまった。
彼は早い時期、こんな素晴らしい映画の音楽を担当していたのだ。

イブ・モンタンの“a bicyclette"を見つけたとき思ったのは
世界中で自転車を歌ったものは、どれくらい有るんだろう?と
国によって自転車の呼び名も変わるから調べたら
イタリアではvélo、ドイツではFahrrad
スペインでは・・・とキリが無い
取りあえず今は上のリストの通り、もっと集まったら
その内「今日の1曲」にかける予定。

2013年5月28日火曜日

おウチで楽しむカクテル講座 #-33
フレンチ・コネクション
French Connection
<レシピ>
ブランデー-45ml 
デサローノ・アマレット-15ml
氷を入れたロック・グラスに両方を注いでステア。

先に出した「ゴッド・ファーザー」は、ベースがウイスキーだったが
こちらは同じアーモンドの香りはするが
ブランデー・ベースなので、とても風味が柔らかい。
大ヒットした映画「フレンチ・コネクション」(1971)に因んで作られたか
しかし実の処、映画の内容とは殆ど関係なく、ブランデーだからフランスと
云うだけの安易なネーミングかもしれない。

映画はニューヨークからフランスのマルセーユまで
しつこく麻薬ルートを追う”ポパイ”という渾名の刑事のアクション物。
役はジーン・ハックマンが演じた。
結局、パート-2では犯人達に捉えられ、逆に麻薬中毒にさせられたが
此のカクテルの口当たりの良さは中毒に成る可能性、大。




Dimitri Tiomkin's World #-1
Lost Horizon Theme(1937) - Dimitri Tiomkin
そんなワケで今日からディミトリ・ティオムキン特集。
彼は1895年ロシアはウクライナ生まれ
1925年に家族と共にアメリカに移住。
当時、伸び盛りの監督、フランク・キャプラに起用された事で
アメリカ映画の歴史に残る作品からスタート出来た。
今日の此れもキャプラの作品で”シャングリラ”と呼ばれる
ヒマラヤの麓に在るという理想郷を探す映画だ。
ハリウッド映画らしいロマンチックなメロディに
ロシア出身らしいオリエンタル風味が混じって
壮大なスケールを感じさせる。
モノクロ映画だが是非観てみたいものだ。



とにかく今ハーブ達は伸び盛り
トマトにオリーブオイルをかけてバジルを載せると
程よいバジルの辛味と香りが極上のサラダになる。
塩も胡椒も、ほんの少しで良い。

パスタの残りはベーコンとキャベツの炒めて絡めてみた。
ベーコンとキャベツの炒め物は
伊丹十三の得意な料理で
伊丹一三時代の「ヨーロッパ退屈記」に出てくる。

全部料理を平らげた後、まだワインが中途半端に
残っていたので、冷蔵庫に何か?と
探したら先日の鰹のカルパッチョが!
此れは丁度良いと。
まあニンニクの”ズケ”というか”セビーチェ”というか
ベランダからイタリアン・パセリを千切って・・・と
此処まで更新していた処へ
ピンポ〜ンと
近所のおネエさんが港で揚ったばかりの
宗田鰹に鯵を・・・。
さて、どう捌いてやろうかい?


2013年5月27日月曜日

 チャイナタウン その2@-29

おウチで楽しむカクテル講座 #-32
ピンク・ジン
Pink Gin
<レシピ>
ドライ・ジン-60ml  アンゴスチュラ・ビターズ-1滴
上の材料をシェイクしてカクテル・グラスに注ぐだけ
又、シェイカーを使わず、氷を入れたグラスに入れ
ステアするだけでも良い。

アンゴスチュラ・ビターズで、ほのかな桃色に成るので
此の名前があるらしいが、”ピンク”には色だけでなく
”頂点”や”究極”という意味もあるので
”究極のジン”と解釈される場合も有る。

「アラビアのロレンス」の英国俳優ピーター・オトゥールが
好んで良く飲んだとか・・・。
あの映画に、そんなシーンが有ったか?確かめてみたい。


Voir Un Ami Pleurer - Jacques Brel
昨日の「Les Marquises -マルキーズ諸島」のアルバムに
納められた此の曲は
晩年のジャックにしてはメッセージ性の強いもので
私には彼の遺言の様に思える。
ジョン・レノンの「イマジン」と同じく
争いの絶えない当時の世界状況を嘆いている。
それでも、それは激しい感情では無く
自分の死を目前にして、どうしても云いたい事
そして残して置きたい言葉として、淡々と歌っている。
それが今でも聴くもの心に力強く響くのだ。

Voir Un Ami Pleurer -  涙を流す友を見ることは

もちろん、アイルランドでは戦いが続き
音楽を知らない種族もある
優しさのない人もたくさんいる
そして、アメリカ人はもういない
もちろん、金には臭いはない、
確かに鼻につんとくる臭いはない
もちろん、花を踏んで歩く人もいる
しかし、涙を流す友を見ることは

もちろん僕たちが敗北することもある
おまけに、最後には死が控えている
僕たちは、もううつむいていて
立っていられるのに驚くほどだ
もちろん、不実な女もいて
虐殺された鳥たちもいる
もちろん、僕たちの心は翼を失っている
しかし、涙を流す友を見ることは

もちろん、50歳の子供たちによって
荒されつくした街があり
僕らは手をこまねいているだけだ
そして僕らの愛情は、歯痛を抱えている
もちろん、時間はまたたく間に過ぎ去り
地下鉄は おぼれた人たちでいっぱいだ
真実は僕らを避けて通る
しかし、涙を流す友を見ることは

もちろんらの鏡は正直だ
ユダヤ人ほどの勇気もなく
黒人ほどの優雅さもない
鑞燭にたとえれば、自分は芯だと思っていても、
実際は鑞にすぎない
そして、こんな人間たちは、みな
らの兄弟だ
彼らが愛のきずなによってぼくらを、ずたずたにするとしても
もうあまり驚かない
しかし、涙を流す友を見ることは

作詞ジャック・ブレル(日本語訳・小倉正孝)



煮物で日本酒
スーパーで大根とジャガイモの安売りに飛びつき
それぞれ炊き合わせてみた。
牛肉も切り落としの奴。
イカは安いと思ったら小振りだった。
(それでも又、塩辛を作ったが・・・。)
どちらも早い時間に作り、味が染込むのを待ち
その間に白魚の胡瓜揉みを作った。
冷や酒は、周りが早いのでチェイサーで間合いを取り
チビリチビリとゆっくり。


2013年5月26日日曜日


 コマンド-X
浅草駅の近くにバックのデザインをしている会社が
その店先にバックと一緒にフィギアを並べていたのが
最近、フィギアと雑貨の店を始めた。
輸入物の珍しい小物の中に此れを見つけた。
ヘルメットと覆面を被っていて顔が見えないので
気になって買ってしまった。
マスクを取ったら意外に年寄りのコマンドだった。






成り行きでイタリアン
伊東の魚屋を覗いたら初鰹と札の付いた刺身
もう初鰹も無いだろうと思いながらも買って
カルパッチョ風に。
カルパッチョの名前の由来は前に話したが
本当はお肉でやるらしい。
それを魚、それも白身で始めたのは
NHK3シェフでおなじみの落合さん。
夕べのカルパッチョは元々、鰹はニンニク醤油で
食べるのが私は好きだから、
それにオリーブオイル&レモンを絞っただけ。

ワインの当てに、キャベツにオリーブオイルと
クミン・シードをかけるレシピがDANCHUに出ていたので
私はマヨネーズ&ヨーグルト&クミンでやってみた。
クミンの香ばしさが新しいソースと成る。

前日の砂肝をミート・ソースにして
いつかの兄貴スパゲティを解凍して絡めてみた。
アンチョビを入れるのを忘れたので
味が薄かったのはパルミジャーノを削って誤摩化した。
バジルやパセリそしてパクチが育ち過ぎて食べるのに
間に合わなく成って来た。

Les Marquises - Jacques Brel
長い間フランスの国民的スターであった彼は1973年
突然、引退を表明し、フランス領ポリネシアに移住
(画家ゴーギャンの生き方に影響されたか?)
飛行機の免許を持っていたので、
島巡りのタクシー双発機の操縦を楽しんでいたという。しかし
元々、ヘビー・スモーカーの彼は癌に蝕まれている事が発覚
1977年パリに戻り、手術・治療を受けながら
島で書き留めた18曲の内12曲をレコーディング
発表したアルバムが此の「Les Marquises=マルキーズ諸島」
”偉大なる魂の復活”というサブタイトルが日本では付けられたが
それに違和感が無いほど気迫のこもった歌唱で
ブレルの最高傑作と云う人も多い。