2013年5月27日月曜日

Voir Un Ami Pleurer - Jacques Brel
昨日の「Les Marquises -マルキーズ諸島」のアルバムに
納められた此の曲は
晩年のジャックにしてはメッセージ性の強いもので
私には彼の遺言の様に思える。
ジョン・レノンの「イマジン」と同じく
争いの絶えない当時の世界状況を嘆いている。
それでも、それは激しい感情では無く
自分の死を目前にして、どうしても云いたい事
そして残して置きたい言葉として、淡々と歌っている。
それが今でも聴くもの心に力強く響くのだ。

Voir Un Ami Pleurer -  涙を流す友を見ることは

もちろん、アイルランドでは戦いが続き
音楽を知らない種族もある
優しさのない人もたくさんいる
そして、アメリカ人はもういない
もちろん、金には臭いはない、
確かに鼻につんとくる臭いはない
もちろん、花を踏んで歩く人もいる
しかし、涙を流す友を見ることは

もちろん僕たちが敗北することもある
おまけに、最後には死が控えている
僕たちは、もううつむいていて
立っていられるのに驚くほどだ
もちろん、不実な女もいて
虐殺された鳥たちもいる
もちろん、僕たちの心は翼を失っている
しかし、涙を流す友を見ることは

もちろん、50歳の子供たちによって
荒されつくした街があり
僕らは手をこまねいているだけだ
そして僕らの愛情は、歯痛を抱えている
もちろん、時間はまたたく間に過ぎ去り
地下鉄は おぼれた人たちでいっぱいだ
真実は僕らを避けて通る
しかし、涙を流す友を見ることは

もちろんらの鏡は正直だ
ユダヤ人ほどの勇気もなく
黒人ほどの優雅さもない
鑞燭にたとえれば、自分は芯だと思っていても、
実際は鑞にすぎない
そして、こんな人間たちは、みな
らの兄弟だ
彼らが愛のきずなによってぼくらを、ずたずたにするとしても
もうあまり驚かない
しかし、涙を流す友を見ることは

作詞ジャック・ブレル(日本語訳・小倉正孝)

4 件のコメント:

  1. さて、トレネ、モンタン、ブレルとシャンソンが続き
    まだまだムスタキやレジアニそしてピアフと
    行きたいところだがこの辺りで一休み、
    後日またシャンソンは追求するとして。

    ジャック・ブレルの「アムステルダム」をカヴァーした
    デヴィッド・ボウイを調べていたら
    彼のレパートリー“Wild IS Wind”は彼のオリジナルでは無くて
    何とディミトリ・テォムキンの映画音楽である事が判明。
    ティオムキンと云えば西部劇やら歴史物と米国映画音楽の
    大巨匠なので、今週から例によって少し掘り下げてみる事に・・・。

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  2. ティオムキンと云えば僕の場合中学の時だったかなあ、「荒野の7人」のテーマが最初に意識した曲だなあ。今でも時折聴く事あるけどワクワクするなあ。「七人の侍」同様高揚感溢れる曲だネ。

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  3. 残寝ながら「荒野の7人」はエルマー・バーンステインです。
    でも貴方の好きな「リオ・ブラボー」はティオムキンです。
    彼は84歳まで生きた長寿の作曲家で米国映画に
    膨大なスコアを提供したので、まだ西部劇に行くまで
    日にちがかかりますが、その内「赤い河」を始め
    取り上げますが約1ヶ月の連載に成るでしょう。

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  4. 失礼しました。

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