GODZILLA (2014)
休業しておきながら何だ!と文句を云われそうだが
余りにも暑いので映画館で涼もうと・・・。
いやNHKの東宝のぬいぐるみ”ゴジラ”シリーズで煽られても
ハリウッドのリメイク二度目に期待はしていなかった。
ところがところが此れは、やたら面白い!
今まで観たゴジラ映画の中で最高の出来ではないか?
監督のギャレス・エドワードはジョージ・ルーカスが
「スター・ウォーズ」の続編を依頼したという噂
今、ハリウッドで一番才能を注目されると云うのも納得。
今まで見た事も無い巨大な”ゴジラ”のスケールに
登場する人物達の家族愛などを手際良く盛り込んだ編集の巧さ
ビジュアル・インパクトと人間ドラマ・エモーションの融合。
まさに70mm「ベン・ハー」を最初に観た時の感動を思い起こした。
先の「GODZILLA」(1998)もCGの完成度にテンポの良さで
巷の”ゴジラ・ファン”が
あれはゴジラでは無い!と文句を云う程
私の期待を裏切るものでは無かったが
今回の此れは、日米全ての”ゴジラ・マニア”を
かなり満足させる出来・・・と云うのは
ゴジラの動きが、ぬいぐるみと同じスロー。
それはそうだろう、あれだけ巨大なら引力で速く動けまい。
それでもCGならではのリアルなディテールに恐竜ファンは納得。
顔が松井秀喜クリソツ、怒ると尚、似て嬉しい。
そして何より作品として成功しているのは
ゴジラの存在自体を神格化した事であろう。
ハリウッド・リメイク1作目のゴジラはビキニ環礁水爆実験で
放射能を浴びたイグアナの巨大化したものだったが
今回は神が人類の危機に与えたもうた正義の生き物?とした事だ。
そのファンタジーを渡辺謙演じる芹沢博士(昔は平田昭彦)が
予言者の様に解説しているのが上手、いや狡い。
太古の昔、地上が放射能に覆われていた時代に
生存した恐竜達のバランスを取るため
彼(ゴジラ)が、その生態系の頂点として君臨したという説。
先の東北大地震から原子炉事故まで全部,此の映画では
放射能をエネルギーとする”謎の怪獣”のせいにされ
「何じゃ、それ?」なのだが
それを云っちゃ、此の映画はお終いよ!と話は進む。
処で、その謎の怪獣だが巨大な昆虫のお化けの様な奴で
何処からこの名前が付いたのか”ムートー”。
Massive Unidentified Terrestrial Organism(未確認巨大陸生生命体)の略
名前が近所の”武藤さん”みたいだが
その残虐さと破壊力に気味悪さは怪獣ものの中ではピカイチ。
平成「ガメラ」を撮った金子修介は”ギャオス”をパクられた、うんぬん。
でも私は「スターシップ・トゥルーパーズ」の巨大宇宙昆虫に思える。
そう今回のゴジラは、此の”武藤さん”とのバトルなのだ。
しかも此の巨大な武藤さんは雄雌2匹いて
片方は羽が有って空まで飛べるから流石のゴジラも
前後左右上下から攻撃されては、たまったものでは無い。
我らがゴジラはズタズタにされ絶命寸前。
悪役が強い程,アクション映画は面白いの定説通り。
更に”武藤夫婦”は電波パルスを遮断する能力が在るので
我々人類はゴジラを助けようにも近代兵器は
ミサイルおろか戦闘機までも全く役に立たないという絶対ピンチ。
後はゴジラに残された闘争本能だけが頼みという
此の戦いがハワイからラスベガスに
そしてサン・フランシスコへと舞台を変え
観光地も大都会も滅茶滅茶に壊されるCGがリアル!
話の荒唐無稽さを、精密な映像力が見事にカヴァーする。
凄い演出力を持った監督が出て来たものだ。
さて、”ゴジラと武藤夫婦の戦い”の結果や如何に?
東京スカイツリー並みにデカくて見上げるのに首が疲れる
今までで一番巨大なサイズのゴジラ
それは出来れば大きなスクリーンの映画館で観て貰うしかない。
取り敢えず、アドレナリン全開に興奮して
ラストは哀愁あるトランペットの音色に泣けますよ(笑)