2017年4月30日日曜日

バルカン音楽事情その9
CAFE AMAN İSTANBUL - İSTANBUL HASAPİKO
此のグループは2009年にイスタンブールで結成された
所謂”レベルティコ”というジャンルの現代大衆歌曲だ。
それはトルコとギリシャの複雑な関係の象徴でもある。
その歴史は遡る事1930年代、両国に住む
宗教の異なる住民交換という強制移動に伴い、
互いの血族の純粋性は保たれたものの
文化である両国の音楽は流石に混合した。
それを1960年代のトルコの民主化で再興されたのが
此の”レベルティコ”である。
その音楽は、リズムも楽器も重なり
歌われる言語以外、外国人にはとても判別出来ない。
そしてダンスもギリシャ映画「その男ゾルバ」で
紹介されたものは、トルコにも勿論、存在する。
Zorba the Greek (1964)


2017年4月29日土曜日

バルカン音楽事情その9
Rubato - Unuturum Diye Yorma Kendini
こちらは民族楽器をフィーチャーした長閑な曲。
コブシは日本の民謡や演歌と同じ

Haluk Levent - İzmir Marşı
そしてコチラは又、好戦的な国民らしい国威高揚曲。
どちらもトルコの代表的な音楽の2タイプ。



やりくり料理
宇佐美から持って来た若竹煮と
柳橋の大黒屋で貰った揚げ玉を
使って混ぜ御飯に。
偶然とはいえ、見事なハーモニー。
レタスに巻いて!
此れに竹松の焼き鳥
ボンジリ、鳥皮など。
タコと胡瓜の酢の物を
麦焼酎のホッピー割りで。



2017年4月28日金曜日

バルカン音楽事情その8
トルコの古典音楽
トルコの音楽は先にメフテルという軍楽を紹介したが
トルコの宮廷で演奏された古典音楽に
タンブールやケメンチェ、カーヌーン等の弦楽器がある。
此れは、そのままバルカン半島を北上すると東欧では
ツィターという棒で叩く物に変わり、それはハープやピアノの原型だ。
ボスポラス海峡を渡りシルクロードを経て
優雅で繊細な美しい旋律を奏でる日本の琴へと変化した。
また此れらの楽器は”セルフィー教”の舞踏にも使われている。
赤い煙突の様な高い帽子に白い長いスカートで
ひたすらクルクル回る密教儀式で有名だ。
Ceremonia Sufi de la rama Mevlevi. (Turquia. Estambul)

日暮里・いりこ屋のカレーうどん
例により、生地の買い出しに日暮里へ。
この頃ランチは此の店のうどんばかり
カレーの良い匂いに誘われ注文。
果たして出て来たそれは
いりこ屋の看板通りの出汁が効き
尚且つスパイスもパンチがあり、想像以上。
わたしの東京うどんランキングの上位に
やはり此の店は入る。、何となく料亭気分( ˘ω˘ )

2017年4月27日木曜日

伊達の牛タン弁当
三越のデパ地下の切り落としと
宇佐美から運んだ筍の煮物
お吸物にも入れて
三つ葉のおひたしを添えると
おうちでも、何となく料亭気分( ˘ω˘ )


バルカン音楽事情その7
America, America : Manos Hadjidakis  
1962年の映画「アメリカ・アメリカ」は
エリア・カザン監督のルーツを元にしている。
彼はギリシャ系アメリカ人。
祖先はトルコの圧政を逃れアメリカへ移民した。
その凄まじい苦難の歴史は今の難民問題と変わりはない。
その映画につけられた音楽は
ギリシャの作曲家マノス・ハジダキスのスコア。
トルコとギリシャの伝統音楽の微妙な関係を
見事に表現しているので此のシリーズに入れた。
彼は皮肉にもレッド・パージでハリウッドを
追われたギリシャ人監督ジュールス・ダッシンの
映画「トプカピ」(1964) にもスコアを提供している。
此れもトルコとギリシャの民族楽器を使っているので
ここに載せた。
Topkapi : Manos Hadjidakis 
此れは余談だが、マッカーシーによる赤狩り時代
社会派のジュールス・ダッシンは、エリア・カザンにより
共産主義者と密告され、ハリウッドを追われた。
その後ジュールスはヨーロッパに拠点を移し
ギリシャ女優メリナ・メルクーリと出会い
「日曜はダメよ」「死んでもいい」に先の「トプカピ」と
沢山の名作を共に製作した。
一方、エリア・カザンの、その後の作品は
以前の「紳士協定」「エデンの東」「「波止場」程の
完成度は無く、低迷していたが
晩年、アカデミー協会から長年の功績を讃えられ
アカデミー名誉賞を与えられたものの
授賞式のスタンディング・オベーションに
彼の過去を知る人は、席を立たなかったという。



2017年4月26日水曜日

バルカン音楽事情その6
Ceddin Deden 
此の曲は”メフテル”と呼ばれるトルコの軍楽形式
題名の「ジェッディン・デデン=祖先も祖父も」の通り
トルコ軍の戦意高揚に使われてきた。
まあ、♪守るも攻めるもクロガネの〜の
日本の軍艦マーチの様なものだね。
でも此のブラス合奏も、まさにバルカン音楽の要素。
先のルーマニア等のロマに伝わって行ったのだね。
それでもイスラム教のコーラン読み方には”コブシ”があり
日本の演歌とも繋がるアジアの唱法だ。
此れにブズーキのメロディやタブーラ等のリズムが付き
現代では此の様なポップスに変化して居る。
Kara Kedi :Tarkan




ご近所から筍を戴いた!
掘り立てで、しかも親切に糠で灰汁まで抜いてくれている。
昨日はイタリアンだったので早速
柔らかい先の部分をサラダに。
シラスをニンニクで炒めジュジュ〜ツとかけて
自家栽培のレモンを絞る。
ピザにはホタル・イカをトッピングだから白ワイン。
そして今朝も筍。
硬い部分は、昨夜のうちにワカメと炊いておいた。
鰹節のダシも効いて、まさに旬の味。
カレイの煮付けと、キャベツの即席漬け
ナンプラーと山椒の実で揉んだだけ。
納豆にはきのうの兄貴のシラスと和布蕪。

2017年4月25日火曜日

バルカン音楽事情その5
Rembetiko - Misirlou (1927)
バルカン半島の先端部分はギリシャとトルコ
此のあたりにバルカン音楽のルーツが集まって居る。
まず、今日の曲”ミシルルー”は”ミザルー”として
此のベンチャーズやエキゾチカの
マーチン・デニーにカヴァーされたが
元はと言えば、ギリシャ歌謡
いやトルコもウチが本家だ!と両国で論争してるらしい。
”ミシルルー”とは”エジプト女”の意味。
地中海の向こう側の女性への憧れを歌ったものか?
タブーラを使った独特なリズムは
昨日のAZIS(アジス)に繋がる怪しげなグルーブ。
思わず腰をクネクネしたベリーダンサーを想像させる。


「アフガン」(2005)
本当のソビエト題名は「第9中隊」
アフガニスタン紛争の話だから”アフガン”
そこへ1988年に投入されたソ連の若き兵士達の物語。
此の手の映画は”戦争映画”として纏めて居るが
「Uボート」「スターリングラード」と並ぶ傑作。
その2作同様、戦闘場面の激しさも、さることながら
若い兵士たちの儚い青春が見事に描かれて居る。
映画の冒頭、少年たちは新兵として丸刈りにされ
J・P・ゴルチェばりのボーダーの下着に
ほとんど誰が誰やら見分けが付かないが
徐々にユーモアを交え、個々を紹介してゆく巧い導入だ。
お互いにバラバラだった彼らが激しい訓練で
仲間意識が出てくるのを丁寧に描いて居る。
童貞の兵士に、仲間がアフガンで死ぬ前に
女を知っておいた方が良いと
”白雪姫”という娼婦を充てがうのも切ないエピソード。
そして、その通りに成ってしまうのだが。

彼らは空輸されアフガンに着くやいなや
さっそく、基地が爆撃され炎の海となるのに圧倒される。
そしてエピソードは彼らの前線での8日間だ。
たった8日間ながら、映画は2時間半の長編が
あっという間に過ぎる迫力、その戦闘は此の世の地獄。
いつ襲ってくるか分からないイスラムの武装勢力に怯え
彼らの顔も、古参兵と見分けが付かないほどに変わる。
その古参兵に、あの清原そっくりの兵士が出てくる。
考えればソ連はモンゴルに近いから
アジア系が居てもおかしく無いのだが、何故か親近感がわく。
結局、若い兵士で生き残ったのが1人だけという悲惨な結末。
ペレストロイカの後、社会主義が崩壊して
ソビエト政府は、彼らの出兵を当時の軍部が把握しておらず
彼らの犠牲は全く無駄であったという、ラストの結論は
いつの世にも繰り返す戦争の悲劇と片付けてしまうには余りにも酷い。
彼らの儚い人生を誰が償うというのか?

監督は、ソビエト映画の巨匠セルゲイ・ボンダルチェクの
息子フョードール・ボンダルチェク。
父親と同じく俳優として出演して居るが
若い兵士の生き生きとした表情を見事に演出し
更に戦闘場面はソビエト軍の全面協力の
全くC.G.を使ってない生の迫力は驚異。
そして、そのコントラストとして
アフガンの風景を溜め息が出るほど美しく捉えた
カメラはニコラス・レーリッヒの絵を思い出させる。
此んな力のある監督が、ソビエトに居たなんて!




たった15分の居酒屋 メニュー
確か長芋が残っていたはずと
昼間のうちにスーパーでマグロを購入。
”山かけ”ならぬ”長かけ”
量が多いので半分は今朝の食卓に。
茄子をフライパンで炒め生姜醤油
何かもう一品と、鯖缶を開けて大根おろしで。
飲み物は麦焼酎で味付けた殆んどホッピー。
日が長くなって縫い物は捗るが
そのぶん食事が手抜き。


2017年4月24日月曜日

バルカン音楽事情その4
まず、そこに存在する国は
ギリシャ、アルバニア、マケドニア
セルビア、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア、ヘルツェゴビナ
コソボ、ヴォイヴォディナ(自治州)トルコ
そしてブルガリア
まあ古代から東ローマ帝国、オスマン・トルコ帝国
それにハンガリー、オーストリア帝国と宗教の違いから
領土を奪い合って様々な民族が入り乱れ
渾然とした半島である。
つい最近も、いや今でも”ヨーロッパの火薬庫”の
異名を持つ、紛争の絶えない地域である。
言葉も、それぞれ違うから当然、文化も異なり
独自の伝統音楽が継承されている。

今日のミュージシャンAZIS(アジス)は
ブルガリアン・ロマの出身
過去のバルカン民族音楽をすべて吸収し
更に現代のテクノ、ヒップホップまで取り込んだ
多重構造のサウンドは驚異としか言い様が無い。
ただ問題は彼本体も多重構造で
ジェンダー不明というかドラッグ・クイーンというか
その趣味には付いて行けない人も居るだろう。
まさに”ブルガリアの妖怪”
AZIS - Obicham te
AZIS - Sen Trope 

草刈りの御褒美
此のところの陽気に、伸び放題になっていた雑草を
昨日は一気に刈り上げた。
さすがに慣れない筋肉を使ったので足がつり
これはいかんと、マリンタウン温泉で揉みほぐし
さらに焼肉屋・七福へお直し。
塩タンと、柔らかい部位(相変わらず名前が覚えられない)
誰かと食べても旨いが、一人で食べても旨いものは旨い。
締めに冷麺。
キムチの味を褒めたら、たっぷり入れてくれた
愛想の良いお姉さん。
チャリの帰り道、右手の宇佐美湾には
此んな豪華客船・・・と思ったら昼間いた自衛隊の船か?

2017年4月23日日曜日

バルカン音楽事情その3
Pritouritze Planinata:Le Mystere Des Voix Bulgares
最初、日本には”ブルガリアン・ヴォイス”という名で紹介された
このコーラス・グループは、その後
”ブルガリアン・ポリフォニー”と修正された。
その理由はわからないが
とにかくブルガリアの音楽が初めて日本に輸入された。
その圧倒的とも言える美しいハーモニーは
それまでのコーラスの概念を打ち破るもの。
Svatba:Le Mystere Des Voix Bulgares
この曲など、バリ島のガムラン&ケチャとも
何処かで繋がる神秘性を備えて居る。
何故、この様な音楽が西洋音楽の影響を受けずに
伝統音楽として残って居たかは
バルカン半島の地理と歴史を辿ってみるしかない。
話は長くなるので、また続きは明日・・・。

納豆チャーハン
連日、納豆の話題で恐縮だが
納豆は火を入れても栄養価は変わらないらしい。
それで冬はオジヤなどにもするが
今朝はチンした御飯でチャーハンにしてみた。
まず解凍した御飯を生卵でコーティング
そこにシメジや高菜を刻んで混ぜ
熱いフライパンで一気に炒める。
ワザと焦げ目をつけると、その部分が香ばしい。
味付けは無し、ヒネた高菜の塩気で充分。
仕上げは胡麻油の風味。
味噌汁は蕪とお揚げの昨日の兄貴。

2017年4月22日土曜日

バルカン音楽事情その2
Kai An Se Thelo:Goran Bregovic & Giorgos Dalaras 
ゴラン・ブレゴヴィッチはサラエヴォ出身の作曲家
エミール・クストリッツァ監督の映画音楽を手がけている。
エミールの映画がカンヌでパルムドールを2度も受賞して
彼の名も世界的に知られるようになった。
バルカン半島の民族楽器をフィーチャーした
土着的なロマ(ジプシー)音楽は、西洋でも東洋でも無い
現代人の心を惹きつける情念の様なものを感じさせる。
コチラは、そのパルムドール賞の映画「アンダーグラウンド」で
使われた、やたらノリの良い曲。
Trubaci Goran Bregovic - Ya Ya  (Ringe Ringe Raja)


「ゲティン'スクエア」(2003)
最近、このサイトの更新が多いと思われるだろうが
以前のが壊れ、VIDEOプロジェクターを買い換えたので
連夜ホームシアターで映画2本は観ている事になる。
まあ、全部が面白いわけでは無く
中には当然ハズレの作品もあるが、此の作品は大当たり!

オーストラリア映画という理由もあるが
こんな面白い映画が今まで
日本未公開でDVD化もされていないのは絶対オカシイ。
主役のサム・ワーシントンもオーストリアの俳優。
(ワシントンで無くワーシントンが正式の名前らしい)
彼は童顔ながら演技派で、此の6年後にはハリウッドの
SF大作「アバター」で、車椅子に乗ったヒーローを演じた
・・・と役者を一番先に紹介したが
日本映画の神様マキノ正博氏によれば
映画は1スジ(脚本)、2ヌケ(映像)、3ヤクシャ(俳優)
とりあえずストーリィーから
舞台はオーストラリアの観光地ゴールドコースト。
主人公は悪徳刑事にハメられ
無実ながら、殺人罪で8年も服役、母親の死で
仮釈放されシャバに戻ると、実の弟までが
そのハメた刑事とグルのギャングの手先になって居た。
主人公は、たった1人の家族の弟を堅気にするのと
出所後も執拗に主人公に付き纏い
嫌がらせをする悪徳刑事に恨みを晴らそうと計画する。
そう映画の題名Gettin’Squareは恨みを晴らすという意味と
堅気になるというWミーニングがあるらしい。
彼のムショ仲間に悪徳刑事が強盗をさせようとしたのを利用し
今度は彼をハメるという計画だ。
さて”3ヤクシャ”が又先に来たが、此のムショ仲間を演じるのが
デヴィッド・ウェンハムという、やはりオーストラリアの俳優。
彼のキャラクターが何とも可笑しく
ソファーから何度も落ちるくらい笑わせる。
かなりイッてしまった”ヤク中”をリアルに演じ
とかく前科者の更生話で暗くなりがちの展開を
面白おかしく明るくさせている。
此の俳優は、主人公のサム同様、
此の後「ロード・オブ・ザ・リング」で重要な役を得て
今やハリウッドでも売れっ子だ。
明るくといえば、”2ヌケ”だが
当に、ヌケの良い映像はゴールドコーストの光を
眩しいほど美しく捉え、カメラ・アングルの大胆さは
フランスのジャン=ジャック・ベネックス監督の
名作「ディーバ」を観たときの衝撃に近い。
監督ジョナサン・テプリツキーの演出もあるが
こんな名キャメラマンが南半球オーストリアに居たとは。
話を”3ヤクシャ”に戻すが
此れに英国の名優ティモシー・スポールが
元ギャングだが、今はレストランのオーナー役。
ダイエットばかり気にしているトボケた演技で笑わせる。
そう、此の”3ヤクシャ”が此の映画のコアなのだ。
堅気になるため、恨みを晴らすための最後のドンデン返し
ラストの爽快感は久しく感じなかったもの。
映画の3原則が揃った此の映画
早くも今年のBEST-10にランク・イン。
14年も前の作品だが(笑)