2017年4月22日土曜日

「ゲティン'スクエア」(2003)
最近、このサイトの更新が多いと思われるだろうが
以前のが壊れ、VIDEOプロジェクターを買い換えたので
連夜ホームシアターで映画2本は観ている事になる。
まあ、全部が面白いわけでは無く
中には当然ハズレの作品もあるが、此の作品は大当たり!

オーストラリア映画という理由もあるが
こんな面白い映画が今まで
日本未公開でDVD化もされていないのは絶対オカシイ。
主役のサム・ワーシントンもオーストリアの俳優。
(ワシントンで無くワーシントンが正式の名前らしい)
彼は童顔ながら演技派で、此の6年後にはハリウッドの
SF大作「アバター」で、車椅子に乗ったヒーローを演じた
・・・と役者を一番先に紹介したが
日本映画の神様マキノ正博氏によれば
映画は1スジ(脚本)、2ヌケ(映像)、3ヤクシャ(俳優)
とりあえずストーリィーから
舞台はオーストラリアの観光地ゴールドコースト。
主人公は悪徳刑事にハメられ
無実ながら、殺人罪で8年も服役、母親の死で
仮釈放されシャバに戻ると、実の弟までが
そのハメた刑事とグルのギャングの手先になって居た。
主人公は、たった1人の家族の弟を堅気にするのと
出所後も執拗に主人公に付き纏い
嫌がらせをする悪徳刑事に恨みを晴らそうと計画する。
そう映画の題名Gettin’Squareは恨みを晴らすという意味と
堅気になるというWミーニングがあるらしい。
彼のムショ仲間に悪徳刑事が強盗をさせようとしたのを利用し
今度は彼をハメるという計画だ。
さて”3ヤクシャ”が又先に来たが、此のムショ仲間を演じるのが
デヴィッド・ウェンハムという、やはりオーストラリアの俳優。
彼のキャラクターが何とも可笑しく
ソファーから何度も落ちるくらい笑わせる。
かなりイッてしまった”ヤク中”をリアルに演じ
とかく前科者の更生話で暗くなりがちの展開を
面白おかしく明るくさせている。
此の俳優は、主人公のサム同様、
此の後「ロード・オブ・ザ・リング」で重要な役を得て
今やハリウッドでも売れっ子だ。
明るくといえば、”2ヌケ”だが
当に、ヌケの良い映像はゴールドコーストの光を
眩しいほど美しく捉え、カメラ・アングルの大胆さは
フランスのジャン=ジャック・ベネックス監督の
名作「ディーバ」を観たときの衝撃に近い。
監督ジョナサン・テプリツキーの演出もあるが
こんな名キャメラマンが南半球オーストリアに居たとは。
話を”3ヤクシャ”に戻すが
此れに英国の名優ティモシー・スポールが
元ギャングだが、今はレストランのオーナー役。
ダイエットばかり気にしているトボケた演技で笑わせる。
そう、此の”3ヤクシャ”が此の映画のコアなのだ。
堅気になるため、恨みを晴らすための最後のドンデン返し
ラストの爽快感は久しく感じなかったもの。
映画の3原則が揃った此の映画
早くも今年のBEST-10にランク・イン。
14年も前の作品だが(笑)

0 件のコメント:

コメントを投稿