海外ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
オスカー俳優のケヴィン・スペイシーと
同じくオスカー受賞監督のデヴィッド・フィンチャーが
製作指揮する此の海外ドラマが、今面白い。
先日の米国大統領選の意外な結末に驚かされたばかりだが
ケヴィンが演じる此の主人公の政治家が
米国大統領に成る事に異常な執着を持ち、その為には
友人を裏切り、妻をも欺きと、あらゆる手段を使って、
まさに、その”野望の階段”を登り詰めようとするドラマだ。
彼がドラマの途中でカメラに向かい本音を吐露する構成も
一体、此の男は、どれだけ嘘をついて生きているのか?と
呆れ返ってしまう。
原作は英国で放映された同名シリーズのリメイクらしいが
物語を米国に置き換えただけでなく
現代の米国らしい様々な社会問題を織り込んで生々しい。
此のシーズン-1ではケヴィン扮する下院議員が
大統領に国務長官のポストを貰う筈だったのに外され
その復讐を果たすため、着々と策を巡らし人事を操って
大統領を追いつめる過程が描かれている。
そこには若い政治記者を愛人として情報を錯乱させる彼の手法。
薬物中毒の下院議員の弱みを握り、自分の操り人形として使う
恐ろしくも、おぞましい卑劣な手口を見せるかと思えば
彼の卒業校に集まった親友達と一晩飲み明かす幼さも見せて
彼の奥深い人間像を描いている。
知性と美貌を兼ね備えた、ロビン・ライト演じる彼の妻も
その野望に圧倒されながらファースト・レディを目指し
見事に彼のサポートをして健気。
先ごろ、米国大統領選挙に緊急再放送された
同じ海外政治ドラマ「ポリティカル・アニマル」は
シガニー・ウィーバーがヒラリー・クリントンをモデルに
大統領を目指す元大統領夫人を演じたドラマ。
現実にリアル過ぎるほど近くて観ていてハラハラする程
それが足を引っ張ったかヒラリーの落選は周知の通り。
案外、脆かった先の韓国大統領汚職事件も
韓国で似たドラマが先に放映されていたとか?
今は政治の現実とフィクションの境界線が曖昧で
面白いドラマと成ってしまう時代なのだろう。
此の「ハウス・オブ・カード」も、シーズン-5まで
まだまだ続くらしいので、暫くは展開に目が離せない。