コンティジョン (2011)
何の予備知識も無く夜中に録画して置いた此の映画を観た。
英語に強ければタイトルの”Contagion=伝染”で
その手のパニック映画と直ぐ解っただろうが
世界の都市で次々に倒れて行く人々の理由が解らないので
観る方は、当事者の様な恐怖感に襲われる。
しかも、導入が如何にも健康そうな女優
グゥイネス・パルトローのメロドラマ仕立てだから・・・。
グゥイネス・パルトローのメロドラマ仕立てだから・・・。
彼女は香港帰り、経由地で昔の恋人と情事をした後
亭主と子供の居る自宅に戻り、突然、発熱と吐き気で気を失う。
その間にも、世界中で同じ様な症状で沢山の人が倒れて行く。
ドキュメンタリー・タッチの映像のシャープさ
テンポの早さに、語り口(編集)の巧さは
さすがの鬼才監督スティーブン・ソーダバーグ。
以前、世界中を騒がせた、鳥インフルエンザ・ウィルスや
あの、O-157を思い出させられ、話に吸い込まれる。
何と言っても原因が分からぬ程、怖い病気は無い。
かかったら最後、苦しんで死ぬしか無いのだ。
此の映画は発病から、その必死性病原ウィルスを突き止め、
免疫ワクチンを開発、製造、予防接種するまでの数ヶ月のドラマ。
登場する患者や医者役を上の写真に載っている
演技が巧く、存在感のあるスターたちが演じるから
人間ドラマとしても見応えが有る。
それにしても恐ろしいのは
今、世界中に起きている異常気象と同じ様に
突然変異で生まれる新しい病原菌。
此れは予測不可能、どうする事も出来ない。
進んだ現代医学と云えども発病したら後手に回るしかない。
その特効薬を巡り、インターネットで情報を操作して
利益を得ようとする者や製薬会社の思惑
そして何より怖いのは一般市民のパニックで起こる
暴動、略奪など、此の映画は、そんな社会秩序の混乱まで描いて
人類という生き物の精神的な脆さまで露呈している。
それでも救われるのは現場に急行し、救助しながら
発病してしまう医師や、自ら実験台になり
危険をおかしてワクチンを開発する医者。
そのワクチンの得るため現地で人質となった女性医師など
ヒューマニズムをさりげなく描いているのも良い。
世界各地、登場人物も多いが
それぞれのエピソードを手際良く捌いて、話を混乱さず
それぞれのエピソードを手際良く捌いて、話を混乱さず
最後まで観客の内蔵あたりをグイグイ引っ張って行く
監督ソーダバーグの手腕は確かだ。
そしてラスト、誰もが興味を持つ
何故こんな事になったのか?と
此のウィルスの根源、第一感染に迫った処で
スパッと映画を終わらせる。お見事!
スパッと映画を終わらせる。お見事!
皆さん、外出から帰ったら必ず、
ウガイと手洗いをしましょうね。
それだけでも感染は可成り防げます。
ウガイと手洗いをしましょうね。
それだけでも感染は可成り防げます。