2013年10月31日木曜日

コンティジョン (2011)
何の予備知識も無く夜中に録画して置いた此の映画を観た。
英語に強ければタイトルの”Contagion=伝染
その手のパニック映画と直ぐ解っただろうが
世界の都市で次々に倒れて行く人々の理由が解らないので
観る方は、当事者の様な恐怖感に襲われる。
しかも、導入が如何にも健康そうな女優
グゥイネス・パルトローのメロドラマ仕立てだから・・・。
彼女は香港帰り、経由地で昔の恋人と情事をした後
亭主と子供の居る自宅に戻り、突然、発熱と吐き気で気を失う。
その間にも、世界中で同じ様な症状で沢山の人が倒れて行く。
ドキュメンタリー・タッチの映像のシャープさ
テンポの早さに、語り口(編集)の巧さは
さすがの鬼才監督スティーブン・ソーダバーグ。
以前、世界中を騒がせた、鳥インフルエンザ・ウィルスや
あの、O-157を思い出させられ、話に吸い込まれる。
何と言っても原因が分からぬ程、怖い病気は無い。
かかったら最後、苦しんで死ぬしか無いのだ。
此の映画は発病から、その必死性病原ウィルスを突き止め、
免疫ワクチンを開発、製造、予防接種するまでの数ヶ月のドラマ。
登場する患者や医者役を上の写真に載っている
演技が巧く、存在感のあるスターたちが演じるから
人間ドラマとしても見応えが有る。
それにしても恐ろしいのは
今、世界中に起きている異常気象と同じ様に
突然変異で生まれる新しい病原菌。
此れは予測不可能、どうする事も出来ない。
進んだ現代医学と云えども発病したら後手に回るしかない。
その特効薬を巡り、インターネットで情報を操作して
利益を得ようとする者や製薬会社の思惑
そして何より怖いのは一般市民のパニックで起こる
暴動、略奪など、此の映画は、そんな社会秩序の混乱まで描いて
人類という生き物の精神的な脆さまで露呈している。
それでも救われるのは現場に急行し、救助しながら
発病してしまう医師や、自ら実験台になり
危険をおかしてワクチンを開発する医者。
そのワクチンの得るため現地で人質となった女性医師など
ヒューマニズムをさりげなく描いているのも良い。
世界各地、登場人物も多いが
それぞれのエピソードを手際良く捌いて、話を混乱さず
最後まで観客の内蔵あたりをグイグイ引っ張って行く
監督ソーダバーグの手腕は確かだ。
そしてラスト、誰もが興味を持つ
何故こんな事になったのか?と
此のウィルスの根源、第一感染に迫った処で
スパッと映画を終わらせる。お見事!

皆さん、外出から帰ったら必ず、
ウガイと手洗いをしましょうね。
それだけでも感染は可成り防げます。

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