ペイズリーについて(追記有り)
此の”ペイズリー”という名前は18世紀に
スコットランドのペイズリー市で
此の柄の織物が量産された事に由来する。
しかし、それ以前なんと紀元前にアルタイ共和国の
古墳から此の模様は見つかっている。
その後のアッシリア、バビロニア、ヘレニズムと
ユーラシア大陸総ての文明に此の模様は存在する。
何故それ程までに此の柄が人々に愛されたかは
形が植物の種子、ソウリムシ等の原生動物の
生命力に憧れた人類が、その霊力を得ようと
したのではないか?と云われている。
ペイズリーという名前が存在する以前に
インドでは「ブータ」「カウカ」
イランでは灌木や茂みを意味する「ボテ」
中国では豚のハムを意味する「火腿紋」
日本に入って来たのは遅く、ペイズリーと云う名前を
「松鞠模様」「匂玉模様」と訳した。
元々は地味な単色で繰り返しが多かった此の模様が
カラフルに彩色され”サイケデリック”パターンとして脚光を浴びたのは
1960年代、米国のベトナム戦争へのアンチテーゼ
”ラブ&ピース”の象徴として
若者が此の模様のカラフルさを身にまとった事に因る。
中には、何も纏わない奴も居たが・・・。
それらは彼等のファッションに、レコード・ジャケットに。
世界中の若者に受け入れられ
所謂”サイケ調”という言葉に”アングラ”という言葉が重なり
当時、日本では新宿が、そのコアになり
カオスの様に混沌とした文化が花開いた。
歌舞伎町の奥に怪しげなミニ・シアターが出来て
舞踏ダンサーがすっ裸で”ひきつけ”を起こした様な表情で踊り
その身体にはサイケデリックな音楽と照明が当てられ
葉っぱも薬も無しで、客も飛んでいた。
思えば、あれが日本でのカルチャー・ムーブメントだった。
さて話は又、アメリカに戻るが・・・。
西部劇のカウボーイが、埃避けとして首に巻いた
バンダナが、何故ペイズリーなのか?
米国東部から西部開拓に来たヨーロッパ移民が
母国から持ち込んだか?
もしくはメキシコから米国南部に進んだ
スペイン&フランス人が付けていたか?
まあ、どちらにしても当時の染色技術でも簡単に出来
安価であったのが、その理由と推察する。
そんな訳で私の作ったバンダナ・チュニックは
100円 × 8枚=800円(税別)裁縫(ミシン)は日本人だが
生地は中国製だから、色落ちは必須(笑)
<追記>
此れは余談だが、昔ドイツのミュンヘンで観た
サルサ楽団のメンバーが皆、紅いバンダナを
白いT-シャツの上に三角に巻いていて
かっこ良かったので、私も後日、真似をしたら
ロケ現場で”カントク、お地蔵さんみたい ! ”と言われ
確かに外れては居ないが、気を悪くした覚えがある。