此のコーナーでは先に俳優座の先輩・野村昭子を出したが
此の二人、「家政婦は見た」では良く喧嘩をしていたが
住んでいた所が近くて実際には仲がよかったらしい。
私が最初に観たのは紀伊國屋ホールの演劇「トロイアの女」(1974)
およそギリシャ悲劇とは程遠いキャラクターだったが
彼女の少女の様な声に魅せられた。
そう彼女は芝居の国から芝居を見せに来たような女優だった。
身体の小ささもあって声は可愛いが、芝居が大きい!
だから見方によっては臭くもなるのだが
写真の「家政婦は見た」の彼女は所謂、当たり役。
大沢家政婦紹介所から派遣された家政婦として
上流階級の家庭に入り込み、その裏の悪事や情事を覗き
終いにはその家を破滅に追い込むシリーズは
1983年から2008年まで四半世紀続く長寿番組となった。
つい先日は当時の受験生を食い物にする”大型予備校”を
経営する家族とそれを乗っ取ろうとする者たちを描いた。
そこで市原悦子の役は、幼馴染の弱小予備校の経営者(前田吟)に恋をして、
大型予備校の情報を盗むと言う犯罪者のような綱渡りをするのだ。
その恋をする家政婦の”けなげさ”が市原悦子にかかると
♪アンコ椿は〜と何とも可愛らしく思えて・・・
まあ此の話、落ちはあるのだが、それはさて置き
例によってラストは会長・野村昭子もろとも階段から
派手に落ち大怪我。傷だらけに包帯を巻いて
家政婦は今日も大邸宅の門から顔を出し
「ごめんくださいまし〜大沢家政婦紹介所から参りました〜」