此の映画に主演しているスエーデン女優ナオミ・ラパスは
日本では余り知られて無いが、世界的に大ヒットした
”ドラゴンタトゥの女”シリーズのヒロインだ。
決して美人では無いし、歳(42)も取りすぎている
が、しかし、そのシリーズやリドリー・スコット監督が
「エイリアン」の後日談「プロメテウス」に抜擢した事でも
その実力に魅力が分かるだろう。
此の作品で彼女の役はロンドンの元C.I,A工作員
今は引退同然の筈が、再びイスラム過激派の細菌爆弾を阻止すべく
英国M.I.-6と米国C.I.A双方に追われながら立ち向かう。
007ばりのアクション・シーンの巧さは監督マイケル・アップテッドが
ピアーズ・ブロスナンの”The World Is Not Enough”で実証済み。
それだけで無く彼はミステリー映画の傑作「アガサ・愛の失踪」が
デビュー作。サスペンスの演出に、芸達者な大物俳優を使いこなすのが得意。
此処でもオーランド・ブルームにジョン・マルコビッチ
そしてマイケル・ダグラスを贅沢に散らばしている。
此れで此の映画が面白くならない筈はない。
最後までハラハラ、ドキドキ、息をつかせぬテンポは見事。
それを支えるのは先の女優ナオミ・ラパス。
そのクールな表情に引き摺られて最後の最後まで
緊張が途切れる事は無い。