2021年12月31日金曜日
2021年12月30日木曜日
2021年12月29日水曜日
南半球オーストラリアの監督ジョージ・ミラーが此の”マッドマックス”を作って大ヒットしたのが1979年
それから27年の時を経て再び製作したのが此の作品。
此の時、彼は70歳を越えていた筈だが、
まあ、そのエネルギーの凄いのなんの。
冒頭から砂漠の真ん中で改造車のオンパレードに追いかけられる主人公は此れでハリウッドの大スターになったメル・ギブソンに代わり、若いトム・ハーディ。
少しメルより”アク”が無いなと思ったら
あのオスカー女優シャーリーズ・セロンが何を狂ったか坊主頭で目のフチはパンダみたいに真っ黒、片腕は手首なし(合成が完璧)で殆ど主役。
設定は相変わらず核戦争後の近未来だが世界は滅び、1人の狂人が巨大な砦を造り水と石油を独り占めして生き残った人々を奴隷として支配している。
女は繁殖の道具、妊婦からは母乳を摂取という具合。
シャーリーズ・セロンは戦闘隊の女隊長ながら密かに緑の地へ女達を脱出させようとしているのだ。
此の砦が実写ながらアニメみたいにスペクタクルなスケール。
そこから巨大なオイルタンク・トレイラーを運転してシャーリーズ・セロンが走る!
それの追手のトラックの先に車のエンブレムみたいにトム・ハーディが縛られている。
とにかく全てのヴィジュアル・イメージがヘビー・メタル・ロックのジャケットの様というか、モロそのものの確信犯。
トラックの先頭に火を吹くエレキ・ギタープレイヤー、佐渡の"鼓童"みたいに大太鼓を並ばせて打たせている。
まあ陣太鼓か戦意高揚音楽という訳だ。
もう真面目にやってるのか冗談なのか
此処までやられると笑って観るしかないが面白過ぎて先が思いやられる。
しかし意外と、まともな展開で彼らは追手を逃げ切り、やっと辿り着いた自由の地は・・・。
ジョージ・ミラーが狙ったものはヘビー・メタル・ロックの長編プロモーション・ヴィデオか?
筋などどうでも良いから、そのディテールをひたすら楽しめば良いのだ。
それにしても日本なら後期高齢者のジョージ・ミラー、約1年掛かりで此の作品を撮ったという。うーん最後までスタミナも凄いな!
2021年12月28日火曜日
2021年12月27日月曜日
私は、もう3度目くらいだが、ボケてきてるから筋を忘れて
何度見ても面白い西部劇の傑作である。
監督のローレンス・カスダンは脚本家として
ジョージ・ルーカスのもとで”スターウォーズ”シリーズに参加
自らメガフォンをとってスリラー「白いドレス女」、
コメディー「再会の時」の後に、脚本監督で此れを制作した。
主役は今で言うW主役、いや3人トリプル主役。
ポスターの真ん中にいるケヴィン・コスナーは未だブレイクしていなかった。
いずれも演技の確かな渋い役者ばかり。
左からケヴィン・クライン、コスナーの右がスコット・グレン
そして一番右がダニー・グローバー
まず、その寡黙さがイーストウッド以上のスコット・グレンが
荒野で追いはぎにあった下着一枚のケヴィン・クラインを助ける。
町に行くと、その追いはぎを見付け、馬と服を取り返す。
スコット・グレンは町で縛り首になりそうな弟を留置所から助け出し
酒場で、人種差別にあっていたダニー・グローバーと組んで
4人は”シルバラード”へ向かう。
此処でケヴィン・クラインは、かつての悪党仲間
ブライアン・デネヒーに再開する。
彼は今”シルバラード”の保安官になっていた
此の保安官役がブライアン・デネヒー
私の「悪役列伝」に出しそびれた此の役者
”コクーン”シリーズで、宇宙人をやった190cmの大男
にやけた顔の奥で何を考えているかわからない曲者。
此の悪役が此の映画を面白くした。
悪知恵が働き、次々と先回りし、主人公4人を痛めつけて
ボコボコにしてしまう。
それでも立ち上がる傷だらけの4人の活躍が映画のカタルシス。
途中、酒場女と言うより酒場婆の名女優リンダ・ハントが絡み
”ハエ男”ジェフ・ゴールドラムの怪しいギャンブラーと
監督ローレンス・カスダン馴染み役者を揃え、
脚本家出身らしく展開をひねりにひねって
結末に2つのクライマックスを用意して楽しませてくれる。
西部劇ファンなら、まず120点をあげたい作品だ!
2021年12月26日日曜日
その6”緑色の猫”
私は、かつて大変な猫嫌いであった。
猫がそばに寄ってきただけで緊張し、それが
相手にも伝わりフーッと唸り、噛みつく奴もいて
困ったものだ。
私が手掛けたCMにY.M.O.ことイエローマジックオーケストラを
起用したFUJIカセットが有る。
それはY.M.O結成時から何時かCMで使いたい思い
米国の異色バンド、チューブスの前座を彼らがやるのを知り
明日プレゼンがあるという代理店のプランナーを中野サンプラへ
誘い、彼もハマって是非使いたいとスポンサーへ。
それは見事に成功、カセットだから、カセットの中から登場
という安易な企画でオンエアされた。
時代はウォークマン全盛、カセットテープは飛ぶ様に売れ
スポンサーのお偉いさんの娘が大ファンだという事で
次回作はなんぼ金をかけても良い!というお墨付きを貰った。
当時、MTVをやりたくてウズウズしていた私はどさくさに紛れ
CMだけでなく3分半くらいのロングヴァージョンまで企画した。
それは物語風でチェスをしている坂本龍一氏と高橋ユキヒロ氏が
いつの間にかフェンシングで戦っていて、細野晴臣氏が抱いていた
猫が突然跳ねて東京タワーへ飛んで行くという展開であった。
今なら恐らく私は猫にC.G.を使った処だが、当時はそんな技術は
無かった。
この猫が飛び跳ねるシーンを撮るのに、カメラを斜めに設定
高いところから猫を放り投げるという乱暴な技を使った。
カメラマン曰く猫は3mくらいなら軽く起き上がれるから大丈夫と。
果たして撮影を始めたところ、猫は嫌がって飛び降りない。
それもその筈、猫はスポンサーFUJIのイメージカラーの
緑色にされていたからである。
これも今なら簡単に毛の色など変えられるのだが。
予め動物プロダクションに人間の髪染め用の緑色を
塗って置いてくれと頼んでいたのだが、猫にそれは
難しく、サインペンの緑で一本づつ染めたとか。
それで猫は気持ち悪いらしく不機嫌でいう事を聞かない。
高い台の上で爪を立て飛び下りない。
そのお尻を無理やり押して落とすという今から思えば
残酷な事をした。
猫嫌いな私でも5回もやれば、もういい何とか撮れたんじゃない!
とカメラマンに言うと、駄目ちゃんとフレームに収まっていないと
くりかえすこと20回近く、最初は姿三四郎の飛び下り技の様に
クルッと宙返りして着地していた猫も段々疲れて来たのか
ドサっと足を伸ばさず体ごと落ちるようになってしまい。
それでもカメラマンは自分の家でも猫を飼っているから
大丈夫!とテイクを重ね、25回目くらいでやっとOKが出た。
責任逃れをするわけではないが、あくまでも虐待したのは
カメラマンで,
私では無い。
動物プロダクションの話では此の猫、なかなかの芸達者で
稼ぎ頭だったのが、その日以来、壁の方を向いたままの自閉症猫に
なってしまったと。