2018年1月30日火曜日

ジョルジュ・ドルリュー作曲集その19
「プラトーン」(1986)
「ディアハンター」「地獄の黙示録」に続き
ベトナム戦争を描いたオリバー・ストーンの此の作品は
全編、当時前線で兵士達が聴いていたラジオの曲を
そのままDJの様に構成したが、クライマックスに
「サミュエル・バーバーのアダージョ」を使っている。
此の米国のクラッシックの作曲家は映画の5年前に亡くなっている。
それを、わざわざドルリューに編曲されたのは
監督の彼へのリスペクト。
ドルリュー全作品に共通する、
映像と音楽の相乗効果を知り尽くしたような表現力に
映画のコアともいえる編曲をゆだねた訳である。
確かに此の「アダージョ」は「軽蔑」や「ジュリア」の
ドルリューのスコアと可成り相似点がみられる。
監督がバーバーの原曲をそのまま使うのでは無く
"マエストロ" ドルリューを敢えて起用し理由に
彼への熱いオマージュを感じる。
映画は戦争映画ながらヒットし、様々な映画賞に輝いたが
そこには音楽ドルリューの名が隠し味、いや決め手だったのだ。




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