オープニングが素敵な映画BEST-10

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To Kill A Mockingbird (1962) - Opening Title

そんな訳で今日からオープニングが素晴らしい映画BEST-10

昨日の「さすらいのカウボーイ」に続き

ロバート・マリガンの佳作「アラバマ物語」

ハーパー・リーがピューリッツァー賞を取った原作

”To Kill A Mockingbird”の映画化。

全編モノクロでアメリカの古き良き時代・・・と云いたいが

舞台は人種差別の酷い南部の田舎町。

幼い子供をかかえたヤモメの弁護士が

無実の罪に問われた黒人青年をリンチから守る話。

総ては小説と同じで子供の目線で語られている。

だから此のオープニングも子供の小箱に入れられた

大事な宝物を見せて始まっている。

音楽はエルマー・バーンステイン

西部劇「荒野の７人」等で有名な米国映画音楽の巨匠だが

此処では繊細でノスタルジックなメロディーが

静かに物語を導入させている。

私は高校生のとき観た此の映画のオープニングが忘れられず

だいぶ経ってから某化粧品会社のアンチ・エイジングCMに

そのシチュエーションをそっくり頂いた。

オルゴール箱の中に彼女の幼い頃の宝物が入っているという設定。

その小物を集めて頂いたのはスタイリストの伊藤左知子さん

見事に小物だけで少女時代を表現してくれた。

カメラは石川三明、カラーながら実に渋いトーンだった。

音楽は静かなクラシックを選曲し

女性の”戻らない時間”を表現した。

此のCMは少ないオンエア回数だったのに

その10年後ぐらいに

先日亡くなった大橋巨泉の娘、大橋美加のDJ番組で

「アラバマ物語」の音楽をかけた時、此のCMを取り上げてくれ

“あのCMを作った人は、きっと此の映画が大好きなんでしょうネ”

と云っているのを聴き、”ハイ、そうです！”と

ラジオに向かって答えてしまった（笑）