2018年12月31日月曜日

番外・スペクタクル映画
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Caligula 1980
此の映画は「ローマ帝国の滅亡」の続きの様に
カモフラージュして造られたハード・コア・ポルノである。
仕掛けたのはポルノ雑誌ペントハウスの社長
ボブ・グッチョーネ。(なんだか名前からしてイヤらしい)
それでも主役のカリギュラ役が「時計仕掛けのオレンジ」の
マルコム・マクダウェル。
皇帝のティペリウス役に「アラビアのロレンス」の
ピーター・オトゥール
その側近役ネルバに英国の名優サー・ジョン・ギールグッド
そしてカリギュラの妻に、後にエリザベス女王をやるヘレン・ミレン。
いったいどうして此れだけの名優を
キャスティングが出来たのか?謎だが
想像するにメインの俳優達に見せたゴア・ヴィダルの脚本
(「ベン・ハー」「パリは燃えているか」「シシリアン」に参加))
とは別の脚本が存在し
元々イタリア・ポルノ映画界では有名な監督ティント・プラス
(「サロン・キティ」「背徳小説」等)の事だから
別テイクでハード・コアも撮って後で編集したと思われる。
それでも映画として意外に完成度が高いのは
俳優達だけではなくスタッフも超一流のカメラにライト
フェリーニ映画「サテリコン」と同じ美術や衣装が参加
登場する”酒池肉林ガレー船”や”動くギロチン壁”は
まさに驚異のスペクタクル=見世物そのもの。
”ペントハウス”グッチョーネの製作費45億円が効いている。
ハード・コア・ポルノという一点を除けば
カンヌ世界映画祭の目玉に上映しても可笑しく無い出来だ。
しかし内容が内容だけに、とても一般の劇場公開は無理で
米国ではN.Y.やL.A.の単館上映にもかかわらず
連日観客が押し寄せ、当時は社会現象とまで云われた。
日本では、その頃ヘアーすら解禁していなかったから
勿論、ボカシやトリミング修正が滅茶苦茶入って
何だか判らない映画に成ったが
それでも”好きな人”が、ワンサと映画館に押し寄せたものだ。
此れ以降、観てはいけないものを観たがる心理を
社会学的に”カリギュラ効果”と名付けられた。

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