2020年9月20日日曜日

”トランペットの哀愁”その4
「死刑台のエレベーター」Ascenseur pour l'échafaud: Miles Davis
ヌーベル・ヴァーグの代表作にして世界映画史に残る
此の名画の音楽はモダンジャズのマイルス・デイヴィスが
映像を見ながら即興で演奏したことは知られているが
その現場の映像がYouTubeに出ていた!
米国で流行したモダンジャズはフランスの若者にも
受け入れられ、此の映画の監督ルイ・マルも
現代的な音楽をサスペンスの背景にしようと
折り良くパリ公演で来ていた彼を起用した。
果たして、ヒロイン役のジャンヌ・モローの不安な心を
見事に表現する音楽となった。
此処では”哀愁”というより”虚ろ”と言うべきか。
とにかく此れ以降、世界中の映画人がモダンジャズを使った。





 

2020年9月19日土曜日

"トランペットの哀愁”その3
Addio del matto:Nino Rota
トランペットを使うのはイタリア映画音楽の巨匠ニーノ・ロータ。
フェリーニの名作「道」でジュリエッタ・マシーナ演ずる
女道化師が吹く此の楽器の音色はなんとも寂しく
その後のフェリーニ映画の方向性を決めた様だった。
サーカスのピエロがトランペットを吹くのは
フェリーニは「道化師たち」でもフィナーレに使った。





 

上野 満洲料理 故郷味
昨日は上海に10年居た後輩の勧める羊肉。
流石のさすが本場の味。
所謂ジンギスカンのイメージとは全然違う本格的な野趣の味を堪能。
最初は辛いと思ったが慣れて、あっという間に串が並ぶ。

空芯菜のニンニク炒めも上手。

フェトチーネみたいな平打ち麺の豆腐も凄く旨い。

此処は中華のレベルも高いぞ(^^)


 

2020年9月18日金曜日

Dimitri Tiomkin - Deguello (ORIGINAL from RIO BRAVO)
昨日の「太陽は傷だらけ」に使用されたトランペット。
此の音色は哀愁に満ちているが、他にも此の楽器を
効果的に使った映画音楽が実に沢山あるのだ。
有名なのは「リオブラボー」「アラモ」と2度も使われた
トランペット曲 ”Deguello”
私の記憶では「北京の55日」にも使われた様な・・・。
起用したのは映画音楽作曲家の巨匠ディミトリ・ティオムキン。
いずれもクライマックスの決闘の直前
主人公が恐らく生きては帰れまいという追い込まれた心境を
表現する音楽として当てられた。
スペイン語で”Deguello=皆殺し”を意味する此の曲はメキシコ民謡。
「白昼の決闘」「紅の翼」等アカデミー作曲賞を何度も得た
ディミトリ・ティオムキンのルーツはロシア。
ミクロス・ローザ、アレックス・ノースと
ハリウッド映画作曲家にロシア及び東欧移民が多いのは不思議だが
「ジャイアンツ」「OK牧場の決闘」「ローハイド」のスコアに、
その哀愁メロディーを強く感じるのは私だけだろうか?

本所吾妻橋 泥鰌のひら井

昨夜は浅草から押上経由のウォーキングでUターン、

待望の吾妻橋泥鰌のひら井。

先ず、抜き鍋を注文して、

酒は菊正の温燗に泥鰌のくりから焼き、

イワシの三杯酢、ナスのシギ焼き、お銚子二本で、

締めに泥鰌の味噌汁を。



 

2020年9月17日木曜日

8 1/2

Michel Magne 映画「太陽は傷だらけ」(1963)Les Grands Chemins
以前に私がHPで”マカロニウエスタンの総括”をした時
此の作品を後発としてしまったが
実はこちらの方が先に公開されて居た。
当時売れて居た監督ロジェ・ヴァディムの協力のもと
俳優クリスチャン・マルカンが初監督し
ロベール・オッセン主演のフランス製西部劇。
イタリアの”マカロニ”より1年前に作られていた。
西部劇につきもののキャッチーな音楽はミシェル・マーニュ。
ヴァディムと組んでブリジット・バルドー映画「戦士の休息」
アランドロン、ジャンギャバン共演の「地下室のメロディー」の 
音楽を担当していた。
イカサマ賭博師役のロベール・オッセンが
背中にギターを背負っているのは
日活の小林旭の「ギターを持った渡り鳥」(1959)の方が先。
いや本家米国の西部劇「大砂塵」(1954)の”ジャニー・ギター”の影響だ。
共演はフェリーニの「8 1/2 」のアヌーク・エーメ。
彼女は「男と女」でブレイクするまで後1年。
フランス南部の叙情的な風景にさすらう一匹狼に重なる
トランペットのメロディーは”日本人受け”で哀愁そのもの
ラジオの音楽番組で良くかかり、中高のブラスバンド部の練習で
誰かが此のメロディーを下手くそに吹いて居た。




2020年9月16日水曜日

TVシリーズ「プリズナーNo.6」
此れは1967年から数ヶ月英国で「The Prisoner」として
オンエアされたTVシリーズ。
原案、演出に主演もしているのはパトリック・マグーハン。
彼は米国の”刑事コロンボ”シリーズも。その後何本か演出
している優れた監督であり犯人役を演じた名優でもる。
日本でも此れと”コロンボ”はNHKで放映、再放映も
何度か有るから、ある程度の年齢の方はご存知だろう。
ストーリーは当時米ソ冷戦時代に活躍した英国の諜報部員が
突然退職を願い出ると何者かに拉致され、
ロンドンから遠く離れた所に連れて行かれ、
彼の知っている情報を聞き出そうと様々なトリックで攻撃される。
それは007ジェームスボンドの様な楽天的な
勧善懲悪の展開ではなく、どちらというと
カフカの小説の様な現代の不条理を描いた哲学世界を描いて居た。
興味深いのはロケに使われた”村”と呼ばれる処。
英国ウエールズにあるホテル・ポートメイリオン
実際のサイズを微妙に縮小した奇妙な建物や道路が
起伏のある土地に造られている。
それが主人公に夢か現実かのプレッシャーをかけるのだ。
調べたら村の標識の書体までオリジナルに作ったとか
此のオープニングはロン・グレーナーのスパイ映画風のイントロだが
”村”に着くと音楽はアルバート・エルメスの不協和音に変わる展開。
カメラアングルに照明そして編集は、その後の様々な映画に引用され
今、観ても、その完成度にワクワクさせられる。