TVシリーズ「プリズナーNo.6」
此れは1967年から数ヶ月英国で「The Prisoner」として
オンエアされたTVシリーズ。
原案、演出に主演もしているのはパトリック・マグーハン。
彼は米国の”刑事コロンボ”シリーズも。その後何本か演出
している優れた監督であり犯人役を演じた名優でもる。
日本でも此れと”コロンボ”はNHKで放映、再放映も
何度か有るから、ある程度の年齢の方はご存知だろう。
ストーリーは当時米ソ冷戦時代に活躍した英国の諜報部員が
突然退職を願い出ると何者かに拉致され、
ロンドンから遠く離れた所に連れて行かれ、
彼の知っている情報を聞き出そうと様々なトリックで攻撃される。
それは007ジェームスボンドの様な楽天的な
勧善懲悪の展開ではなく、どちらというと
カフカの小説の様な現代の不条理を描いた哲学世界を描いて居た。
興味深いのはロケに使われた”村”と呼ばれる処。
英国ウエールズにあるホテル・ポートメイリオン
実際のサイズを微妙に縮小した奇妙な建物や道路が
起伏のある土地に造られている。
それが主人公に夢か現実かのプレッシャーをかけるのだ。
調べたら村の標識の書体までオリジナルに作ったとか
此のオープニングはロン・グレーナーのスパイ映画風のイントロだが
”村”に着くと音楽はアルバート・エルメスの不協和音に変わる展開。
カメラアングルに照明そして編集は、その後の様々な映画に引用され
今、観ても、その完成度にワクワクさせられる。
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