2013年3月3日日曜日

(日本映画・男優編)
小沢昭一(1929〜2012)
此の俳優は、もっと早く登場させても良いはずだが
去年、亡くなったばかりで、あちらこちらで
彼の素晴らしい業績は取りざたされていたので
今更書く事は無いかと遅く成ってしまった。
それでも、こうして書く気になったのは
伊丹十三や永六輔と共に
私の今の生活は可成り彼に影響された処が有り
それは己を確かめる事にも成ると考えたからである。
そもそも私が昔、浅草に引っ越したのは
彼の「ぼくの浅草案内」という本がきっかけだった。
それには和食、洋食、居酒屋 と魅力的な店が沢山出ていた。
中には、もう無くなってしまった店も有るが
当時それは私の”食”のバイブルだった。
そして今は、もう殆ど閉館してしまったが
六区の映画街大通りに、封切りは元より
二、三番館が軒を並べ
見落とした洋画邦画が、いつでも好きなだけ見られた。
(「暗殺のオペラ」「砂漠の流れ者」「花札勝負」等)
当時レンタル・ビデオ屋なんか無かったからね。

処で”キネマ通り”らしく、まず彼の映画俳優歴だが
その先に旧制麻布中学でフランキー堺や加藤武と同級
落語研究会なるものを立ち上げていた。
早稲田大学を出てからは俳優座の二期生となり、その後
早野寿郎と「劇団俳優小劇場」を結成
1966年新劇寄席「とら」で芸術祭奨励賞を取っている。
その頃、大学の同窓生だった
今村昌平の誘いで、今村の師匠・川島雄三と出会い
「愛のお荷物」「州崎パラダイス赤信号」「幕末太陽伝」の
映画出演で彼、曰く演技開眼する。
この辺りの監督と俳優の羨ましい程の甘い関係は
藤本義一著「サヨナラだけが人生さ」に描かれている。
そして川島が亡くなった後、今村の作品で
更に彼の存在は目立ち始め
タモリより以前に、そのユニークな多国籍語?を生かし
「にっぽん昆虫記」では怪しげな在日韓国人役で
パンパン役・春川ますみのヒモを不気味に演じた。
今村の「人類学入門」では、とうとう主役のエロ事師を
そして増村保造の「痴人の愛」でも主役をと
”Stardust=星屑”ではなく眩しい星に成ったはずだが
彼が光ったのは主役の側の小さい星=脇役だった。
「肉弾」「青春の門」「冬の華」「男はつらいよ」と
チラッと出て画面をさらってしまう面白いバイプレイヤーとして
A級B級映画を問わず出演しまくり総数200本余り。
「豚と軍艦」「ええじゃないか」「楢山節考」「カンゾー先生」と
彼は今村昌平の作品に殆ど出演しているが
今村の映画は脚本を書く前に、その対象の徹底したリサーチを
するのが定評だ。
それは当時無名の藤本義一を取材・助監督としてに抜擢した
師匠の川島雄三ゆずりでもある。
それに盟友である小沢も感化され、自分の芸のコヤシと
考えたか、どうかは知らないが「日本の放浪芸」という
既に途絶えかけた日本各地の放浪芸のアルバムを作り始めた。
此れは彼の実家が写真屋だったから記録マニアで
あった事も関係してるかもしれない。
とにかく、彼のどん欲な好奇心は芸と名が付けば
一条さゆりのストリップ・ショーまで含まれていた。
(そのLP7枚組は浅草の中古レコード屋で見つけた)
そして彼の凄いのは、その行動力。
映画、レコードの他に著作も数多く、それは女優の沢村貞子以上だ。
彼の古典芸能それも庶民の芸能に対する興味は尽きなく
出版社を立ち上げ、研究誌「季刊・藝能東西」まで創刊した。
そしてラジオはTBSで「小沢昭一的こころ」を40年近く続け
その他に劇団「芸能座」を主宰、そして一人舞台の
劇団「しゃぼん玉座」では井上ひさしの戯曲を上演していた。

”消え行くものを惜しむ心”

それが彼のエネルギーの総てで有ったのかも知れない。
彼が映画で演じた役の様に社会の底辺に生きる人々の
苦しみ、哀しみを、笑いに変えて暮らして来た歴史と文化を
卑俗、猥褻と呼ばれるとも
生涯をかけて記録、保存したかったのだろう。

晩年、前立腺がんを患い、闘病生活を続けながらも続けた

ラジオ「小沢昭一的こころ」の最終回は2012年11月16日だった。

 


200円デー
いつもの魚屋で鮪ブツ200円、鰤のアラ200円、和布蕪200円
なんだか200円デーだなとブツブツ言いながら購入
鮪は長芋を擦って載せ、生ワサビも擦る。

鰤は塩を振り水気を出して
茹でていた大根のお湯で下洗い
炊き合わせ、酒、薄口醤油、味醂で味付け
その味が染みるまで放っておく。

和布蕪は、やはり熱湯をかけ、フードプロセッサーで
トロトロにして、茹でたモヤシの上にポン酢をかけ
鰹節も削る。
その鰹節だが本枯れの風味を残すには
冷凍するのが良いとアメ横の店で聞いたので
そうしてるのだが、削ると粉々になってしまう。
その鰹節が入っていた説明書に
削る前に火で炙れと。
やってみたらご覧の様にキレイに削れた。






The Long Black Veil-MIck Jagger&The Chieftains
昨日、チーフタンズもストーンズと共演するなら
ミック・ジャガーのヴォーカルで聴きたいものだと
云ったが探したらYouTubeに有った。
しかし此の曲、実はケルト音楽では無くて米国のカントリーだ。
チーフタンズが演奏してるから、余計に、それらしく感じるが
米国のカントリー音楽がアイルランドの移民たちから
受け継がれたものだから当然の事と言える。
此の歌、歌詞の内容がドラマチックで面白い。
無実の罪で処刑された男が、あの世から、もし自分が
アリバイを云うと、その時、不倫をしていた相手の
家庭を壊すので話さなかったと。
なんと泣ける話ではないか?
ザ・バンド、エミール・ハリス、ディランと
沢山カヴァーされている。


2013年3月2日土曜日




ピザの台抜き
東京駅でポールボキューズのバケットを買って来たので
いつもはピザに載せる材料を、そのまま煮込んでみた。
煮込んでと言ってもスルメ・イカだから固くならない様に
ピーマン、椎茸をアーリオ・オーリオで炒め
ホール・トマトでグツグツと残っていた塩辛を
アンチョビ代わりにしてイカは最後に入れた。
そして
珍しいイベリコ豚のパテというのを塗ってみたが
此れが、なかなかイケる。
イベリコ豚はドングリを食べているらしい。
(人間はドングリなんぞ食べないのにね)

サラダは新玉葱のスライスをベースに
オリーブオイルとビネガーのスプレー2丁拳銃攻撃
&レモン絞り。


The Rolling Stones & The Chieftains - Rocky Road To Dublin
今日のチーフタンズはストーンズを迎えてのセッション。
リード・ヴォーカルがチーフタンズのケヴィン・コーネフだから
あまりストーズらしい雰囲気は無いが
それでもキース・リチャードが此処に居るぞと
”ジャンピング・ジャック・フラッシュ”のフレーズを被せたり
エレキ・ギターで唸っている。
出来ればミックにリードを取らせたかった。

2013年3月1日金曜日

The Lily of the West -The Chieftans  & Mark Knopfler


今日のチーフタンズは元ダイアストレイツのリーダーで
今はソロで活躍しているマーク・ノップラーとの競演だ。
此の曲はトラディショナルとあるから
恐らくイングランドかアアイルランドの民謡だ。
どちらにしても”イギリスの哀愁”を代表する様な
此の二人の組み合わせは最高の出来、夢の競演だ。
此の曲はアメリカに渡った移民達に受け継がれ
トラッド・フォークとしてディランやジョーン・バエズに
カヴァーされたものも有る。
歌詞は”西の百合”と呼ばれる程の美人を愛した男が
その娘の心変わりを嘆いたものらしい。
大西洋を渡るとメロディも詩も少し変わるのが
面白い。


 


 宇佐美の朝定食
昨日、戻って来たが買い物に行かなかったから
今朝は有りもので。
冷凍していた鯵の開きを焼き
野菜室に残っていた頂き物の大根を
即席漬けと味噌汁の具で使った。
本当に大根は使い勝手が良い。
”大根役者”とは概ね下手という意味に使われるが
実は何にでも使える器用な役者という意味も有るのだ。
私の味噌汁は昆布煮干しダシが多いが
それをゆっくり採っている時間が無い時は
火を細めにして、どんどん具材を入れてしまう。
それで中々温度が上がらずダシも採れて
一石二鳥というワケ。
料理のプロが見たら何といい加減なと
云われるが、そこそこ旨く行く。
しかし京都から、いつも送って頂く
実山椒は漬物、煮物と本当に便利だ。