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遠く離れた地：ノロブフバンザ

 彼女は、もう亡くなっているが

モンゴルの無形文化財的国民歌手である。

私は幸運にも彼女のステージを

最初のモンゴル旅行で観ることが出来た。

”ナーダム”が行われている時期

文化的な行事の一環で町外れの劇場で

モンゴル音楽コンサートが開かれていたのだ。

民族衣装に身を包んだ女性が誰なのかは、

此の歌を聴くまで分からなかった。

高く伸びのある声で聴き覚えのあるメロディが・・・

ヒョットして此れはエニグマのアルバム

The Eyes of Truth

に入っていた曲では無いか？

私の身体が何故か震えてホテルに戻っても止まらない。

その以来、私の”モンゴル ・フェチ”が始まった。

翌年も又”ナーダム”に行き、通訳のガイドに頼み

報道班の腕章を着けて競技場を自由に歩くまわり

モンゴル相撲力士達の試合を隈なく写真に収めた。

モンゴルの草原の風景は

その昔、私は此処に居たのではないか？

デジャブの様に自分のルーツを思い起こさせる。

モンゴル民謡”オルテンドー（長い歌） "は

日本民謡の"追分"そっくりだ。