2017年10月26日木曜日

エンニオ・モリコーネの映画音楽集 #9
「夕陽のギャングたち」(1971)
マカロニ・ウエスタンは僅か5年の間に
500本も作られたのに
その本家と云うべきのセルジオ・レオーネは、
たった5本しか監督していない。
その最後の西部劇が此の作品。
メキシコ革命の動乱を背景にメキシコの山賊と
アイルランドから流れてきた革命家の友情を描いた。
山賊には豪快なロッド・スタイガー、ダイナマイトを使う
インテリ革命家にジェームス・コバーン。
此の異色俳優の対決がレオーネ映画に”コク”を出した。
異色といえば、モリコーネは此の作品のオープニングに
斬新な口笛と不思議なコーラスを付けた。
♪ ション・ション・ションと一つ間違えれば
コメディになってしまう際どい音楽だ。
でもそれは二人の奇妙な関係を描くのに成功している。

2時間半の長尺を少しも感じさせない緻密な演出に
ハリウッド資本のスペクタクル。
映画は当たらなかったが、レオーネは、此の作品で
憧れたD・リーンの「アラビアのロレンス」に近づけたのか?
モリコーネお得意のエモーショナルな美しいメロディは
主役2人の深い友情が、悲劇で終わる最期を
これでもか?と盛り上げる。
私は此れを映画館で最初に観終わった時
しばらく席を立てなかった。
レオーネは寡作の監督である。
生涯8本の映画しか撮っていない。此の後
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を遺作に
死ぬまで音楽はモリコーネだった。
ニーノ・ロータがフェリーニに愛された様に
モリコーネもレオーネに添い遂げたのである。



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