2026年11月6日金曜日

「昭和残侠伝 死んで貰います」:マキノ雅弘監督作品
昭和残侠伝シリーズは全部で9作作られた。
その中でも此のマキノ雅弘が監督したのは3本、
中でも7作目の此れ”は傑作と言われている。
篠田正浩の「乾いた花」(1964)で虚無的なヤクザを
演じた池部良を高倉健と組ませ
ラストの殴り込みに”お供させてください”と
男同士の道行はマキノ雅弘の仕掛けで4作目から始まり
シリーズが終わるまで、そのコンビは続いた。
私ごとになるが武蔵美デザイン科の映像の授業に
脚本家の石堂淑朗を呼んだのは当時「怪談」等の映画のタイトルを
多く手掛けていた粟津潔感先生だが
その授業に石堂先生はマキノ雅弘の言葉で
シャシン(映画)は1にスジ(脚本)2にヌケ(映像)3に役者(キャスト)と
当時の東映任侠(ヤクザ)映画の構造を分析してくれた。
先ず此の映画のスジ(脚本)は大和久守正
彼は高倉健の座付・脚本家の様に”網走番外地”等を書いていたから
魅力的な表情を歌舞伎のミエの様に此でもか!と見せるから
その度”健さん!”の掛け声をかけたくなってしまう。
今回なんとNHKが何の吹き回しか真っ昼間にヤクザ映画を解禁。
私も半世紀ぶりに此の映画を観たが、その映像(ヌケ)の良い事
ラストに男2人が橋の袂で落合い霧の中に消えてゆく場面など
ため息が出る程美しい。
マキノ雅弘がヌケ(映像)に拘っていたのが良く分かる。
そしてマキノが仕込んだと言う藤純子の可憐さは、とても
ヤクザ・プロデューサー俊藤浩滋の娘と思えない。
兎に角、野球のバットの様に刀を振り回す高倉健に殺陣を教え
藤純子には丁寧に生娘と芸者の違いを教えたと言う
マキノ雅弘は”日本映画の父”と云わずして何と呼ぼう。


 

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