2025年4月26日土曜日

「ボーイズ・オン・ザ・サイド」(1995):ハーバート・ロス監督作品
此れはハーバート・ロスの遺作である。
デビュー作「チップス先生さようなら 」以来
「マグノリアの花たち」等、観客の涙を誘う名人でもあった彼らしい作品だ。
話は気分転換にN.Y.を車で離れようとしたOL(メアリー=ルイーズ・パーカー)が出した"同乗者求む”の新聞広告に応募して来たのが
ミュージシャンのウーピー・ゴールドバーグ。
彼女もN.Y.から新天地を求めていたのだ。
当初、あまり相性が良くないとお互いに思ったが
取り敢えずN.Y.を出発!
ウーピーが途中で女友達を訪ねたいと寄ったピッツバーグで
女友達(ドリュー・バリモア)はヤク中&売人男の虐待にあっていた。
それを女3人協力して男を殴って逃走。結局3人女の大陸横断ロードムービーとなる。
最初からキャラクターが全然違う3人だが、
だんだん分かって来たのは、メアリー=ルイーズ・パーカーは
HIV患者(だから時々気絶する)
ドリュー・バリモアは妊娠しているし、
ウーピーはレズビアンだと言う事。
旅の途中、殴った男が死んでいたのを新聞で知り、3人は共犯者として絆を深める。
中西部の町でメアリーの症状が重くなったのを機に、
3人は家を借りて定住する。
しかしドリュー・バリモアが付き合い始めたのがナント地元の警官。
彼女の告白で彼女は捕まり裁判となる。
バットで殴ったのは彼女だが、その時は生きていて
致命傷は、その後自分で倒れた(笑)
その間にもメアリーの症状は進み 、
3人の関係もギクシャクして来るが・・・。
それには当時の人種、性別の差別が絡み、米国の社会問題が浮かび上がる。
これから”トランプ”で、もっとひどくなりそうだが。
脚本には伏線が貼られており、最後は意外な展開になるが
それでも、泣かせ所はふんだんにあり、
歌うオスカー女優 ウーピーの抑えた演技が光る作品。
監督ハーバート・ロスは元バレエ・ダンサー兼振付師という
変わった経歴で「ニジンスキー」なども取っているが
私はマギー・スミスにオスカー助演女優賞をもたらしたオムニバス映画「カルフォルニア・スイート」が好きだ。
でも、ハーバート・ロス監督自身は一度もオスカーを手にすることは出来無かった。

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