TVドラマ「家政婦は見た」で大沢家政婦紹介所の会長役
人が良さそうに見えて結構”人間臭く”主役の市原悦子とも
よく言い争いをするが、それでいて憎めないのは彼女の人間性か?
医療器具の卸しを営む裕福な家に生まれ
今の東京薬科大学を出て薬剤師の免許もあり東大医学部病院に
努めていたが演劇に興味を持ち、女優になりたいと父親に言ったら
”鏡の前で10分自分の顔を見ていろ!”と言われたが
10分経っても気持ちは変わらず、そのまま俳優座の門を叩いた。
とにかく何処までが芝居か素か分からない自然体。
かなり前だが私が彼女にナレーションをお願いした時も
正に”野村昭子”
こんな人が近所にいたら楽しいだろうなと思ったものだ。
あの菅井きんさんの様に映画やTVと活躍していたが
晩年、長い間連れ添った夫を亡くし彼女は一人暮らし。
それでも、近所の人とも付き合いが良く
近所の人の”近頃、野村さんを見かけ無いわね”で
警察に相談、ドアを開けたら彼女は熱中症で死んでいた。
多分、彼女は薬剤師だから健康にはに自信があったと思われるが
年齢が年齢(95歳)老衰かも知れない。
今、BSなどで再放映している彼女を観るたび
スタジオブースから
”カントクさ〜ん、こんな感じで如何でしょう?”と言う
少女の様に人懐こいオバさんのカン高い声を思い出す。