2024年6月15日土曜日

御家人斬九郎9話”冬木町の女”
前回に続き唾棄が良いと思ったら監督は田中徳三。
大映の”カツ&ライス=勝新太郎&市川雷蔵を支えたエース監督。
そしてカメラが良いと思ったら市川崑も起用していた森田富士郎。
話は残九郎が雨宿りに入った居酒屋で泥酔していた女(美保純)を
ゴロツキから助けて彼女の長屋まで送った事で
彼女に惚れられてしまい残九郎が持て余す展開。
もちろん残九郎には蔦吉(若村麻由美)と言う深川芸者が居るのだが
此の二人、意地を張って中々結ばれない。
その隙に助けた此の女が割り込んで来るという脚本だ。
美保純は日活ロマンポルノ出身だが岡場所の遊女という設定が
此の物語によく合い、彼女も此のオンエアの頃は美しく
色っぽさでは若村麻由美と良い勝負。
元盗賊の女だった彼女は残九郎の為ならと自ら囮になって
岡場所に立ち、盗賊一味を捕らえる事は出来たものの
残九郎と約束した菖蒲市に向かう途中
此の映像が素晴らしい!大映の特撮から始まり実験的な映像を
試みていた森田富士郎は晩年までそれを追求していた
彼女に横恋慕した客の一人に刺される。
恐らく美保純もこんなな良い役を貰って張り切ったに違いない。
斬九郎と蔦吉に看取られて死んでゆく場面が哀れ。
此の回で暫く「御家人斬九郎」の放映は無いらしいので残念。




 

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