吉永小百合 (1945年生まれ)
先日、立て続けにBSで「天国の駅」と「夢千代日記」をオンエアしていた。
私は”サユリスト”では無いから何方も未見であったので録画して初めて観た。
まず「天国の駅HEAVEN STATION」(1984)には驚かされた。
彼女の役は実際にモデルが居た
亭主を2人も殺した、戦後初の女性死刑囚。
脚本は吉永小百合を想定して早坂暁が書いたオリジナル。
えっ、早坂暁と吉永小百合と言えばNHKの”夢千夜”のコンビ。
此の映画に先んじて1981年から3年間
広島で被曝した薄幸な芸者と父親殺しの逃亡犯との恋で
日本中の涙を誘った筈ではなかったか?
その彼女が、いきなり自分の指を股間に入れて自慰を始める。
此れは何だサユリスト”なら嘘だろうと思うに違いない。
しかも、それを若いお巡り役の三浦友和に見られ
二人は不倫関係に成るという展開。
山口百恵ファンなら、”百恵ちゃんが可愛そう!”
ハッキリ言って、此れはどちらもミスキャスト。
金太郎飴の様に同じ表情しか出来ない俳優ふたりは
下半身が動きも、ぎこちなく嗚呼・・・と
流石に2度目の亭主役の津川雅彦は慣れたもので
最も簡単に吉永小百合も裸にされるが
やはり細い丸太を転がした様な芝居。
多分、”魔性の女”というキャッチフレーズを付けられた
大竹しのぶや桃井かおりなら難無くこなせる役だろう。
その彼女を”ノートルダムのせむし男”みたいに慕う
西田敏行(怪演)と無邪気に雪に戯れる
雪の女王の様な役が吉永小百合には一番似合うのだ。
でも、その清らかさを汚してみたいという欲望は男なら
分からなくも無い、ましてNHKで”夢千夜”を3年も続けた後なら。
早坂暁は「花へんろ」「山頭火・なんでこんなに寂しい風が吹く」
「天下御免」等の素晴らしい脚本を書いているが
「北京原人Who are You?」等の物凄い変な脚本も残している。
此れは吉永小百合的には、その後者の作品に入るだろう。
でも、流石にイメージを汚されたのを払拭する様に
映画「夢千代日記」を浦山桐郎監督で撮り直した。
吉永と浦山は「キューポラのある街」(1962年)以来。
その時、吉永の弟を演じた市川好郎が出て来たのも懐かしかった。
此の作品が浦山桐郎の遺作になったのも何かの因縁か。
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