2023年1月31日火曜日
2023年1月30日月曜日
2023年1月29日日曜日
「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」:監督ジェームス・キャメロン
前作で有力視されていたオスカーを元の奥さんに奪われ、
此の新作ではリベンジを計ったか?
自分の持ち駒を全て出したか?の様に思える
・・・と言うのは”ターミネーター”や”エイリアン2”の
未来型ロボットの設定に今回は”アビス”の海底シーンが
数多く観られ、クライマックスは”タイタニック”のラストを
思わせる大型戦闘船の沈没による海底からの脱出と
彼のポケットを全部裏返して見せた感。
まあ、そこにストーリィー的にはアバター達が
”モヒカン属の最期”でもあるし、意匠的には刺青などからして
ポリネシアの海洋民族のそれが見られて
なんともエキゾチックな雰囲気を出している。
とにかく192分、3時間を越える超大作ながら
少しもだれる事なく、観客は森から空へ、そして海中へ潜る
ディズニー・ワールドのアトラクションを乗り継いている
感覚を楽しめる作品だ。
前回は理想郷とも思える惑星の環境破壊と戦う部族が
メインだったが今回は時に離れそうになる家族の結束を
中心に置いている。
まあ、そんな事はともかく、その美しい空間と時間に
ひたすら酔えば良いだろう。
2023年1月28日土曜日
歴代アカデミー賞作曲賞2000年代 その2
「グリーンデスティニー」:タン・ドゥン
此の頃は中国と香港も台湾も上手く行っていて
米国も資金を出した4国合作映画。
監督は台湾出身でハリウッドで最初に成功した
”ブロウバック・マウンテン”のアン・リー。
徹底したカンフー中国人任侠映画ながら
ブルース・リー映画とは違う完成度の高さに観客は驚かされた。
音楽のタン・ドゥンは中国湖南省生まれ
1985年にはN.Y.に移住してコロンビア大学博士課程に入学
そこで実験音楽と出会い自分の生まれた背景を生かした作曲を始め
頭角を現し、様々なイベントに彼の作曲が起用された。
オペラ、協奏曲、管弦楽作品は評価を得て
此の作品で見事オスカーを手にした。
これ以降も「HERO」「女帝」と
米中合作の大作映画にスコアを書いている。
2023年1月27日金曜日
2023年1月26日木曜日
歴代アカデミー賞作曲賞1990年代 その9
「ライフ・イズ・ビューティフル」:ニコラ・ピオヴァーニ
監督のロベルト・ベリーニは元イタリア人俳優
早くから”ジャームッシュ”の「ダウンバイロー」等に出演
ハリウッド進出を狙っていた。
此の物語はイタリア系ユダヤ人の父子がアウシュビッツに送られ
その悲惨な現実を息子に分からせまいとして
”これは遊びなんだよ”と笑って死んでゆく父親を演じ
万人の涙を誘った。
音楽のニコラ・ピオヴァーニはフェリーニ晩年作品に
亡くなってしまったニーノ・ロータの後を継いだ作曲家。
題名通りに、人生を讃える美しいメロディーを付けた。
そういえば役者時代のロベルト・ベリーニも
フェリーニの「ヴォイス・オブ・ムーン」に出ていた
とにかくイタリア人贔屓とナチス嫌いのアカデミー協会は
まんまとロベルト・ベリーニの作戦にハマった訳で有る。
いや、それは冗談として此の作品、2度と観たく無いほど
切なくて泣かされてしまう。
2023年1月25日水曜日
歴代アカデミー賞作曲賞1990年代 その8
「タイタニック」:ジェームス・ホーナー
監督ジェームス・キャメロンは「ターミネーター」シリーズ
「エイリアン2」とヒットを続け、此の有名な遭難事故を脚本化
作品賞、監督賞を始め、アカデミー賞11部門受賞は
あの「ベン・ハー」と並ぶ最多記録。
その中に此のジェームス・ホーナーの作曲も含まれた。
彼は南カルフォルニア大学で学士号、UCLAで修士号を得て
同大で教鞭をとっていたがロジャー・コーマンに見出され
その下にいたジェームス・キャメロンに出会い
「エイリアン2」で気が合い此の作品に。
「コクーン」「フィールド・オブ・ドリームス」に「ブレイブハート」
「アポロ13号」とオスカーはノミネート止まりだったが
4度目にして初受賞、その後もノミネートの常連
大学教授の理論派だけにクラシックにジャズと幅は広く
ジャン=ジャック・アノーの「スターリングラード」
テレンス・マリックの「ニューワールド」
メル・ギブソンの「アポカリプト」と大作に異色作を担当し
ジェームス・キャメロンの「アバター」で再びノミネートされたが
惜しくも逃した。
2015年自ら操縦した飛行機がカルフォルニアで墜落し
61歳で亡くなっている。
2023年1月24日火曜日
歴代アカデミー賞作曲賞1990年代 その7
「イングリッシュペイシェント」:ガブリエル・ヤレド
此の年(1997)のオスカーは2人
ドラマ部門に「イングリッシュペイシェント」のガブリエル・ヤレド
ミュージカル・コメディ部門に「エマ」のレイチェル・ポートマン
ガブリエル・ヤレドはレバノン・ベイルート出身フランスの作曲家
ゴダールの「勝手に逃げろ/人生」の音楽でスタートして以来
ジュン=ジャック・べネックス監督の「ベティー・ブルー」
ジュン=ジャック・アノー監督の「愛人ラマン」等で高い評価を得て
アンソニー・ミンゲラ監督の此の作品で見事オスカーに。
もう1人のレイチェル・ポートマンはオスカー初めての女性作曲家
英国人で此の「エマ」の前に「迷子の大人たち」「ケロッグ博士」
「スモーク」と話題作のスコアは評判だったが、此の作品で
やっとハリウッドの”ガラスの天井”を破った。
私が彼女を意識したのは”tabu"のコレクションをしている時
彼女のカヴァーが素晴らしかったので。
此の後もラッセ・ハルストレム監督の「サイダーハウスルール」
ロバート・レッドフォード監督の「バガー・ヴァンスの伝説」と
印象に残る仕事をしている。
2023年1月23日月曜日
歴代アカデミー賞作曲賞1990年代 その6
「イル・ポスティーノ」:ルイス・エンリケス・バカロフ
監督はマイケル・ラザフォード
音楽のルイス・エンリケス・バカロフは
アルゼンチン生まれだがブルガリア移民のユダヤ人
20歳でコロンビアのピアニスト、26歳でイタリアに移り
マカロニ・ウエスタンの「続・荒野の用心棒」で評価を得た。
そのせいか、”ニュー・シネマ・・・”のエンニオ・モリコーネと
スコアが似ていて此の映画の主演がフィリップ・ノワレだから
つい続編と勘違いしてしまう。
そのフィリップ・ノワレのチリ亡命詩人と
マッシモ・トロイージが演じた郵便配達人との友情物語。
郵便配達人のマッシモ・トロイージは心臓病を押しての出演で
此の映画が遺作、話も温かいが音楽も優しく、
まさに”ニュー・シネマ・・・”の感動再びという作品であった。
作曲のルイス・エンリケス・バカロフはニーノ・ロータ亡き後の
フェリーニ 映画を担当した。
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