鬼平犯科帳スペシャル「見張りの糸」
最近は再々放送で観たものばかりだから
トント此のシリーズは観ていないが、キャスティングの面白さに
録画して観た。
話は此の画面の右側に蟹江敬三扮する鬼平の密偵・粂八が
幼なじみの金太郎(渡辺いっけい)と
数年ぶりに再開するところから始まる。
金太郎が粂八に”お盗め”の話を持ちかける。
その話を鬼平に上げると、金太郎に見張りが付き、
その盗人宿の向かいの仏具屋の二階に鬼平一派が張り付く。
しかし、その仏具屋、実は関西では有名な盗賊の親分だった。
その親分と番頭を中村嘉葎雄と本田博太郎の芸達者コンビが演じ
話が、やたら面白くなる。
彼らは盗んだ金を、その仏具屋の床下に隠しているが
鬼平たちが二階で見張っているから手が出せないのだ。
一方、金太郎の後をつけた粂八は盗人一味に捉えられてしまう。
此れに盗賊達の上前をはねようと企む浪人が絡み
此の極悪非道な浪人役にクロサワ映画で織田信長を演じた
隆大介の鋭い目付きが効いている。
粂八が戻って来ないのを心配する鬼平の密偵達に
鬼平は”お盗め”の詳細を探るため、手が出せない。
そのうち金太郎は粂八を殺すことを親分に命じられる。
その一部始終を見ていた仏具屋の番頭は瀕死の粂八を介抱し
鬼平の密偵達の宿へ運び、名を告げず消える。
この辺りが今や怪優となった本田博太郎の芝居が光る。
そして鬼平に”お盗め”の場所と時間を教えたのは
おとぼけ芝居が板について、兄の錦之助とは
別の良い味が出て来た中村嘉葎雄。
題名の”見張りの糸”の二本が面白く絡み
中村吉右衛門の鬼平と中村嘉葎雄の老盗賊との腹芸が
終盤の見せ場となる。
池波正太郎の作り上げた江戸の人々の情を演じられる
名優達が此の作品では見事に生きている。
今の内に観ておけ、本格派時代劇!
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