2019年2月7日木曜日

「マッキントッシュの男」(1973)
パソコンの名前とまぎわらしいが、此の時代には
まだコンピューターは登場して居ない。
時は米ソの冷戦の真っ只中。
捕まったソ連のスパイの黒幕を暴こうと
マッキントッシュなる男が、宝石泥棒の男を仕立て、
同じ刑務所に入れ計画的に脱獄させる。
その男を演じるのがポール・ニューマン。
まあ、どう見ても宝石泥棒には見えないスマートさだが
当時、男盛りのポール・ニューマンは身体のキレが良くて
観て居て惚れ惚れしてしまう。
惚れ惚れと言えば、やはり当時女盛りの女優
ドミニク・サンダが、その仕掛け人の娘という設定。
ベルトルッチの「暗殺の森」「1900」そして
ヴィスコンティの「家族の肖像」と
世界中の映画ファンのミューズ(女神)だった彼女は
ポール・ニューマンを映画の中でも食べてしまい。
演技でも食っている。
そんな演出をした監督ジョン・ヒューストンは
ハンフリー・ボガードの「マルタの鷹」に始まり
ハリウッドの赤狩りにはメキシコに移住し
俳優としても「チャイナタウン」の演技で評価は高く
私生活では5度も結婚している。
イーストウッドの映画「ホワイトハンターブラックハート」は
「アフリカの女王」の時の彼がモデルだ。
そんな映画の全てを知り尽くした監督の作品は
画面のディテール全てが面白い。
カメラのオズワルド・モリスは英国人だが
ロンドンからアイルランドそして地中海のマルタ島と
目紛しく変わるロケーションを見事に捉えている。
最後までジェームス・メイソン、イアン・バネンと
芸達者な脇役で緊張感のあるドラマとなった。
チェンバロを多用した心地良いメロディは
その頃、売れっ子だったモーリス・ジャール。





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