2018年1月15日月曜日

ジュルジュ・ドルリュー作曲集その6
大盗賊Cartouche (1962)
此の映画の監督はフィリップ・ド・ブロカ
早くからヌーベル・ヴァーグのシャブロールやトリフォー
そしてゴダールの助監督を務めた後
独立した時には、俳優のベルモンドや
作曲家のドルリューとのコネは万全に出来ていた。
貴族や大富豪から金を奪い、庶民に配る義賊カルトーシュに
「勝手にしやがれ」の盟友ベルモンドを起用
その恋人役にイタリアからデビューしたての
クラウディア・カルディナーレを呼びコンビを組ませた。
ベルモンドからアラン・ドロンとは違うコミカルな演技を引き出し
後に「リオの男」を世界中で大ヒットさせた。
それでも此の映画が未だにカルト的に語られるのは
恋人カルディナーレを死なせて悲しむベルモンドが
宝石を積んだ馬車に乗せて、湖に沈める場面。
トリフォーの助監督時代に憧れていた作曲家ドルリューの
美しく哀しいメロディーを当て、深い余韻を残した。
それは、後にR・アンリコの「冒険者たち」のヒロイン
レティシアを深海に沈めた名場面の
音楽フランソワ・ド・ルーベと比較されるもの。

0 件のコメント:

コメントを投稿