2016年12月19日月曜日

シノーラ(1972)
クリント・イーストウッドの初期の主演作品。
監督が「荒野の7人」「大脱走」の名匠ジョン・スタージェス。
オープニングから正調・西部劇らしい映像に
目を奪われるが、音楽がオルガン・ジャズの
ジミー・スミスを掘り出したラロ・シフリン作曲
エンニオ・モリコーネとフランシス・レイを合わせた様な
ヨーロッパ・メロディが洒落ていて更に期待が高まった。
脚本はエルモア・レナード
彼は男臭い犯罪小説家としてエドガー賞やハメット賞も取っている才人。
だから話の展開も普通の西部劇より一捻りして有って
先が読めない。
当初、主人公は判断を誤り、悪い方に味方してしまう。
それもそのはず、悪い方の親分が名優ロバート・デュバル
彼のインテリ臭い風貌に私だって、騙されてしまった。
その彼が主人公に依頼した仕事とは
彼がメキシコ人から奪った土地を
返せと立ち上がったメキシコ人のリーダーを殺す事なのだ。
最初は断るが、事の成り行きで引き受けてしまう。
彼の雇った殺し屋の顔ぶれ(キャスティング)が凄い。
その頃(1970年代)のアクション映画の
クセのある悪役を全部かき集めたんじゃないかという位。
イーストウッドは途中で、その悪役たちの非道さに愛想をつかし
雇われた金は返すからと、メキシコ人達に寝返るが
怒った親分は、彼をメキシコ人達と共に
小さな村の教会に押し込めてしまう。
そしてリーダーが投降しなければ毎日、村人を殺すと。
殺し屋たちは長距離のライフル等を装備していて手強いのだが
イーストウッドは頭を使って1人づつ殺し屋たちを消してゆく。
そしてメキシコ人のリーダーを法廷で決着をつけるように説得し
シノーラの町に戻るが、そこには先回りした
親分と更に増えた殺し屋たちが裁判の前に
彼とリーダーを殺そうと待ち伏せて居た。
建物の屋根から部屋の中から彼を狙う殺し屋たちを
イーストウッドは、意外な作戦で応戦する。
此のスペクタクル・アクションのアイディアと
切れの良いテンポの編集は
「大脱走」のクライマックスにマックイーンの
オートバイ逃走シーンを持ってきた
此の監督ジョン・スタージェスの得意とする処。
余談だが
当時、ジョンという同じ名前のジョン・フランケンハイマー
(「大列車作戦」「グランプリ」「ホースメン」)と
ジョン・スタージェスは大好きだった監督。
でも結局、スタージェスはアクション映画専門の監督だったから
アカデミー賞は、ノミネートこそされたものの
生涯、一度も取れなかった。
そして作曲のラロ・シフリンも同じ
「シンシナティキッド」「ブリット」「燃えよドラゴン」と
みんな知ってる名曲ばかり、何度もノミネートされたが
結局、無冠のままに終わっている。
一方、俳優だったイーストウッドは
此のジョン・スタージェスも含め、レオーネやドン・シーゲル等
巧い監督の演出をしっかり盗んで、今やアカデミー賞の常連。
でも私は此の作品を改めて観て、ジョン・スタージェスの
才能を高く評価した次第。

0 件のコメント:

コメントを投稿