名探偵ポアロ・ゴルフ場殺人事件
既に「カーテン」で終わった”名探偵ポアロ”シリーズだが
再放送で見逃していた作品が観られるのが有り難い。
此れは、題名通りゴルフ場で殺人事件が起こるが
それは、だいぶ話が進んだ後だ。
ポアロ・シリーズには良く有るが、ニュース映像を使い
まず、夫殺しの妻が逮捕されるニュース映画の
ナレーションを録音しているスタジオからドラマは始まる。
その妻には共犯者が居て、その男は国外に逃亡したと。
結局、その妻は、その男に罪を被せ無罪となり
夫の財産をものにしたらしいと、それが十余年前の事。
さて、ポアロは助手のヘースティングに誘われ
海を越えフランスのドーヴィルのホテルへやって来る。
しかし、それはヘースティングが自分がゴルフをやりたい為に
美味い食事を”餌”にポアロを騙した旅行だった。
そこでポアロはホテルのオーナーでもあり
隣接するゴルフ場の持主でもある大金持ちの男から
「自分は殺されるかも知れない!」と調査を依頼される。
しかし彼の屋敷に行ったら、既に彼は誘拐されて行方不明。
そして先のゴルフ場で彼は穴を掘ったまま殺されていた。
そして更に屋敷内で浮浪者らしき男の死体が発見され
それらは皆、同じ様なペーパーナイフで刺されていた。
容疑者は、ペルー人の2人組らしいという妻の証言。
今回、珍しく名探偵ポアロに、謎解きのライバルが登場する。
ジローというフランス警察署長だが
此れが鼻持ちならない傲慢な奴で
ポアロに犯人探しの挑戦をしてくる。
ポアロは自分が勝ったらジローの大事なパイプを
ジローはポアロに髭を剃れと!
此れで、ムキになったポアロは、館の隣りの母娘の顔を
何処かで見た事が有るとロンドンへ戻り
十余年前の夫殺しの妻が偽名で隣りに住んでいた事を突き止める。
そしてポアロに仕事を依頼した大金持ちこそ
ペルーで財を成し、フランスで名前を変えた十余年前の逃亡犯
しかも娘は殺された館の主の義理の息子
ジャックと恋をしている事も。
その頃ヘースティングは、ホテルのクラブ歌手の女性に
一目惚れ、彼女に請われるまま警察にまで連れて行き
証拠のペーパーナイフを盗まれても彼女を庇う有様。
警察署長ジローは義理の息子のアリバイを崩し逮捕してしまう。
果たしてポアロは負けて髭を剃らなければ成らないか?
犯人はジャックか?それともヘースティングに近づいた歌手か?
狂言を仕組んだ妻か?隣りの母娘か?
まったく誰が犯人でも可笑しくは無い
此の辺りからネタバレ
例によってアガサ・クリスティーの多数犯人候補は
二転三転して、どんでん返しの挙げ句
当然、ポアロが勝つのだが
負けた署長ジローが差し出したパイプをポアロは
「頂けません、その代わりパイプを吸う度
私を思い出しなさい!」と仲直りの手を差し出す。
更にドラマとして最後のドンデン返しは
恋に破れた筈のヘーシテイングに、ポアロが
一目惚れの彼女との仲を取り持ってやる憎いラスト。
かなり強引な展開だが
物語の舞台が、ルルーシュの映画「男と女」の舞台で
私もロケした事のあるドーバー海峡側のドーヴィル。
そして、ヘースティングが恋する女性歌手の歌う唄が
トリフォーの映画「終電車」で使われた
シャンソン”J'Attendrai=待ちましょう”と
想い入れがある材料が揃って充分に楽しめる作品と成った。
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