BS世界のドキュメンタリー
「ノルマンデイ上陸作戦のすべて」(2015)イギリス・アメリカ制作
此れは”ヒトラーの残像”というシリーズの中の1つ
禁断の書「わが闘争」の解禁や、ヒトラーの最期と
それぞれ興味深かったが、最終回の此れが一番凄かった。
映画「史上最大の作戦」(1962)で描かれた所謂D-DAYを
最新のC.G.で再現させたものである。
その現場を再検証する徹底したリサーチは
連合軍の作戦が如何に無謀であったかを暴いて行く。
連合軍は、その兵士の数において4万対15万と
遥かに防御するドイツ軍を上回っていた。
制空権も、此の頃はケタ違いで
その戦闘機の大量爆撃でドイツ軍の砲台を破壊し
上陸する兵士を守る手筈であった。
しかし、当日は視界が悪く、ナント砲台は
1台も破壊出来なかった、にも関わらず
作戦は遂行され、米軍兵士はベルト・コンベアーに
載せられた様に次々と砂浜に押し出され
(実際にカリカチュアされた兵士達がコンベアで進み海に落ちる)
ドイツ軍の十字砲火と高性能の機関銃連射に
壊滅状態となって行ったと云う。
その巨大な砲台は元より
兵士のリアル表情まで最先端のC.G.技術で作られた
映像は劇映画でも観た事の無い表現。
一応プロの私でも驚かされた。
此の制作者の凄いのは、それら状況証拠だけで無く
兵士達から双子の兄弟を選び、故郷バージニアでの生い立ちや
彼等の性格まで紹介し、彼等の将来の夢と計り知れない緊張感を伝える。
しかし先のズサンな作戦は、その仲の良い双子を無惨にも
引き裂く結果となるのだ。
兵達の能力を超えた重装備は海岸の高波に
身動きが取れず、殆どが溺れ死ぬ。
にもかかわらず艦隊からは次々と兵士が海へ突き出され
生きた兵士と死んだ兵士で浜が埋め尽くされて行く。
もちろん司令官は、砲台が打撃を受けてないのは
百も承知、数で海岸線を突破させる計画。
連合軍司令官は云う
”死体の数は問題ではない、勝利する事が目的なのだ”と。
”我々は捨て駒だった”と語る
元兵士たちの証言と、リアルなC.G.の状況再現で
戦争の愚かさと、その悪夢が此れまで感じた事の無い
痛みとして私の心に刻まれた。
優れたドキュメンタリーは真実に迫るものだ。









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