イミテーション・ゲーム :エニグマと天才数学者の秘密
BBC制作の「SHERLOCK」で主役のシャーロックを演じた
此のベネディクト・カンパーバッチは今や世界的なスターだが
しかし此の役者はピーター・オトールやテレン・スタンプと
同類、何処か”危うい”部分を持った俳優だ。
此の映画でも、”影”のある天才数学者がハマッている。
話は第二次世界大戦中のイギリスが舞台。
未だに解読出来ない暗号機として有名なドイツの”エニグマ”を
何とか解読しようとして英国諜報機関MI-5が国中から数学者を集める。
その中で彼がリーダーとして選ばれ
その暗号を解くべく新しい機械を開発する事に。
彼は天才肌で協調性が無くリーダーには向いて居なかったが
クロスワード・パズルを3分で解く
1人の女性をメンバーに加え、チームとして纏まったものの
暗号を中々解読出来ない彼らは上部から
1ヶ月期限で解読出来なかったらチームは解散と命じられる。
そして期限の迫った或る夜、ちょっとしたヒントで
難攻不落の”エニグマ”は解読される。
しかし、それが解読出来たとドイツ軍に知れると
ドイツはプログラムを変えてしまうので
英国軍部は、此の事実を伏せ
此の機械を使って、ドイツ軍への情報操作をして
劣勢だった連合国は、2年で戦争に勝利したと云うのは
本当か嘘か、それは歴史が証明している事。
そんな訳で
此の男アラン・チューリングは実在の人物ながら
彼と、そのチームの業績は戦後も隠蔽された。
本来なら戦争を早く終結させた英雄として
全英国民から讃えられる筈なのだが・・・。
その後、彼は同性愛者だった事が発覚し、
当時の法律で逮捕され、不遇のうちに自殺する。
そして今は法律が変わり、エルトン・ジョンを始め
同性愛者の自由を法律で認めた英国は
彼の死後やっと名誉回復と、業績に対する栄誉を与えた
というハッピー・エンディング。
此処からネタバレ注意!
しかし此の映画の見どころは、そんな単純なものでは無い。
彼の少年時代、戦時中、そして現代と3つの時代が錯綜し
とりわけ、彼に暗号解きの面白さを教えた親友が
結核で亡くなった事が、彼の心に深いトラウマを残し
彼はエニグマの解読機械に密かに
その親友の名”クリストファー”を付けていたという事実。
此れは「市民ケーン」の”薔薇のツボミ”に匹敵する謎解き。
(此の少年時代の彼を演じる子役の演技が凄い!)
そしてキーラ・ナイトレイ扮するチームの女性を彼は
愛しながらも、少年時代のトラウマから逃れられない悲劇。
そして彼等が開発した暗号解読機こそ
現代に於ける”コンピューター”そのものだったというオチ。
此れには、私もノックアウトされてしまった。
確かに昔の大きいコンピューターは見た事が有ったが
此の映画の機械が、それだったとは・・・。
彼の孤独を、野原を駆ける姿に象徴させた演出は
ノルウェイ出身の監督モルテン・ティルドムの
英国映画の名作「長距離ランナーの孤独」や
「アラビアのロレンス」冒頭のオートバイ・シーンへのオマージュだろう。







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