2015年5月6日水曜日

クレジーキャッツの時代
植木等(1927~2007)
彼は”クレジー”の中で、一番売れた人である。
普通なら独立してしまう筈なのに年下のリーダー
ハナ肇や他のメンバーとも上手に付き合い
クレジーが最後まで解散する事は無かった。
数々のヒットしたギャグ
「お呼びでない!」「何であるアイデアル」「わかっちゃ居るけど」
は、まさに昭和のテレビ黄金時代そのものだった。
私など学校へ行けば前夜観た
「シャボン玉ホリデー」の彼のギャグが話題になり
クラス全員、彼の真似が出来た。
去年,亡くなった私の長兄も「スーダラ節」が得意であった。

しかし彼には、それ以上の複雑な生い立ちが有った。
父は僧侶ながら自分の思想をハッキリさせた人で
それゆえ幼い頃は投獄までされ相当な苦労をしたとか?
だから、C調な”無責任男”に成ったと云うのとは違い
彼自身は実父と同じく極く真面目な人柄であったという。
”無責任男”は、あくまでも高度成長時代に
頑張り過ぎる日本人に対しての”アンチテーゼ”
それをを造り上げた
コント作家・青島幸男(前・東京都知事)等の
ブレーンが仕掛けたフィクション・キャラクターだったのだ。

今でも、不祥事を起こせばマスコミの前で
深々と頭を下げ、謝罪する責任者たちには
謝れば済むのか!と腹が立つ。
いっそ、”コイツは失礼しました〜!”と
笑って済ませる奴の方が、ずっと痛快だ。
だから彼が晩年シリアスな演技を、ハナ肇と同じ様に
やっていたのは私には抵抗感があった。
いつか、”なんちゃって!”と彼が云うのを
待っていた様な気がする。

それでも生真面目な彼は亡くなるギリギリまで
仕事をし、80歳の長寿を全うし
ハナ肇以上の勲四等旭日小綬章まで得ている。

他のメンバー、谷啓は「美の壷」で
その軽妙なキャラクターが最後まで光っていたし
犬塚弘の渥美清との”らくだの馬さん”は、最高だったし
桜井センリは「寅さん」シリーズで
様々な気の弱い役を演じ楽しませてくれたし
早くして亡くなった安田伸、そして昔居た石橋エータローも
私には親戚の人の様に身近に感じられる。

結局、昭和という時代は”クレジーキャッツの時代”でも
あったのだ。

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