2022年2月3日木曜日

加賀まりこ(1943〜)
彼女は父が大映のプロデューサー、母は女優という
所謂、芸能一家に生まれている。
そのせいか可成りの早熟で中学時代には
学生服のまま六本木の「キャンティ」に通っていたとか。
その通学途中を、あの寺山修司と篠田正浩にスカウトされ
二人が脚本と監督した「涙を獅子のたて髪に」で映画デビュー。
因みに此れは松竹ヌーヴェル・バーグの奔りであった。
日本映画界に彗星のごとく現れ、例を見ない
その小悪魔的な容姿と生意気な言動は
”日本のB.B.=ブリジット・バルドー”と騒がれた。
篠田正浩は石原慎太郎原作の「乾いた花」で
彼女を”死とエロス”の象徴として描き。
日活の中平康は、斉藤耕一と倉本聰の脚本で
フランス映画の様なスラプステック・コメディの
ヒロインとして「月曜日のユカ」を撮り
さらに篠田は川端康成の「美しさと哀しみと」で
八千草薫とのレズビアンを彼女に演じさせた。
(好色な川端は彼女に夢中に成ったらしい)
大島渚は「悦楽」と、当時の若手前衛監督たちは
彼女に魅せられ、彼女を奪い合う様にして作品を造った。
確かに岩波映画出身の黒木和雄監督「とべない沈黙」で
彼女が演じた、此の蝶の妖精役など
それまでの女優とは違う、後にブームとなった
英国モデルの”ツィギー”の先を行っていた様に思える。
しかし、此のサイトは、その”青い果実”を話す処では無い。
此の息の長い女優は、その果実が熟れてから
怪しげな香りを放って来た。
まさに”熟女の季節”到来!
小栗康平監督の「泥の河」での娼婦役で
キネマ旬報助演女優賞
鈴木清順監督で「陽炎座」
和田誠監督で「麻雀放浪記」
岩井俊二監督の「ラブレター」と
未だに前衛と呼ばれる監督たちや、新人監督から
オファーされる”何か?”を持ち続けているのだ。

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