第2次スペクタクル映画
パトリオット(2000)
前回の「ブレイブハート」に続いてメル・ギブソンを主演に
アメリカ独立戦争を背景に、一人の男を描いたドラマ。
此の作品では監督をローランド・エメリッヒに任せている。
ローランドと云えばSF映画「インデペンデンス・デー」で
有名なアクション&エンターテイメントに溢れる演出で
ハリウッドで成功したドイツ人監督。
私は、それなりに面白いと思ったが、日本の「ゴジラ」を
リメイクして失敗作と云われた後の作品だ。
彼の得意なC.Gを酷使した18世紀後半のアメリカの田舎や
街の描写にまず目を奪われる。
そして、あたかもその場に居たかの様な
古い戦闘態勢の再現にはまず圧倒される。
正面から近距離で撃ち合う合戦は
現代では、まず考えられない戦法。
まるで恐怖の集団ロシアン・ルーレット。
撃たれてバタバタと倒れ崩れる兵士達に砲弾が爆発。
そして兵士の頭を砲弾が吹き飛ばす場面に
C.Gと解っていてもギャ〜ッと悲鳴が出てしまう。
ただの合戦モブ・シーンだけなら、それほど感動しないが
此の映画は東映ヤクザ任侠映画の様な仕掛けが有る。
メル・ギブソンの役が高倉健か鶴田浩二の様。
本当は凄い軍人なのだが、先の戦争で
人を殺すのが嫌になり、田舎に引きこもり
妻は失くしたが、子供7人との平和な暮らしをしていた矢先
英国の植民地支配から自由を勝ち取ろうという
独立戦争に巻き込まれるのだ。
戦友に誘われても入隊を拒み続けた主人公は
英国軍にスパイ容疑で長男を拉致されても
他の家族を守るため我慢に我慢をしていたが
目の前で次男を殺されるに至っては
眠っていた彼の軍人としての血が蘇る。
健さんの許せねえ「死んで貰います」の世界。
まあ、実際に7人の子持ちだという
メル・ギブソンには打ってつけの役
マッド・マックと同じ様にキレてキレまくり
もう狙撃というより殺人、復讐の鬼だね。
遂には民間人を集めて軍隊まで組織する。
此れがロビン・フットの様で、神出鬼没。
敵からは”幽霊”と恐れられる。
此れに敵対するのが英国軍の冷酷非情な大佐ダビントン。
自分の出世の為には軍人のモラルも
戦場のルールも、へったくれも無い残忍さ。
此の英国舞台出身の俳優ジェイソン・アイザックスの
滅茶苦茶な憎々しさが最後まで
此のスペクタクル巨編を引っ張るのだから凄い!
さしずめハリウッド版”悪役列伝”久しぶりの本格派登場だ。
此の極悪人を倒さなければ映画は終わらないとばかり
独立戦争等どうでもいいと思わせる処が此の映画の面白さ。
それでも一応登場人物それぞれ、英国の将軍やフランスの
軍事顧問、そして黒人奴隷等
当時の階級や人種の歴史的背景なども丁寧に描かれ
せいぜい南北戦争くらいしか知らなかった
私のアメリカ前史も少しは勉強出来た。
作品に何処か風格が感じられるのは
音楽がジョン・ウィリアムスだからか?
でも、何と言っても此の映画の見ものは
合戦のスペクタクル・シーンだ。
だから第2次スペクタクル映画の”トリ”と云う訳
文に4カ所程、場面をリンクしてありますからどうぞ!


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