2014年5月5日月曜日

傷だらけの天使
今、劇場公開されている「相棒」の新作宣伝に
やたら再放送されている旧作を観るにつけ
萩原健一”ショーケン”はどうしちゃったんだろうと思うのは
私だけでは無いだろう。
そして水谷豊を観る度、此の「傷だらけの天使」の
”アキラ”と”右京”の落差に笑ってしまう。
此の頃の水谷はオドオドした気の弱い青年を演じて
”ショーケン”の後ろに付いた金魚の糞みたいだった。
それはアメリカン・ニューシネマの影響を受けた
脚本家・市川森一が当時を振り返り
全てがTVドラマとして実験だったと云う様に
フランスのヌーベル・ヴァーグの手法
”シネマ・ヴェリテ=即興撮影”
日活ロマン・ポルノ出身監督たちに、低予算は
屋外ロケの多用、それもブッツケ本番
周りの人々、天気の変化をも巻き込んだ否応無しの演出。
此れに対応する俳優は自分の”素”で勝負しなくては成らない。
此れが”ショーケン”は得意だった。
カメラマン兼監督の斉藤耕一に引き出された
映画「約束」の瑞々しい演技は、それまでの
日本の俳優には観られないものだった。
それは倉本聰の「前略おふくろ様」でも引き出されたが
完全主義者の”世界のクロサワ”には嫌われた。
「乱」では気の遠く成る程リハーサルをさせられ
終いには歩き方さえおかしく成り
右手と右足が一緒に出たという。
それ以降、彼は私生活でも運に恵まれず
珠にテレビに出ても声まで変に成ってしまった。

一方、水谷は地道にTVドラマの記者物や探偵物に
出ている内に「相棒」が当たって
今や”テレビ朝日の顔”の様である。
「傷だらけ・・・」の頃、心酔して演技指導を受けた
故・岸田森の演技に良く似た芝居は鼻につくが
韓流ドラマや漫画の様な諄(くど)い流れには
彼の芝居は合っているのだろう。

どちらにしても何処かですれ違ってしまった此の二人。
もう一度共演させる企画は難しかろう。

ところで文句を云う割には
封切りで観て来た「相棒・劇場版Ⅲ」の新作。
まあ、はっきり云って映画館で観るものでは無い。
監督・和泉聖治には、もっと出来の良い作品が
オンエアされた中(下にリストした)に有る。
国家権力に歯向かう警察組織外コンビ等
というロマンには限界がある。
マンネリのシリーズを続ける難しさだろう。


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