伊福部昭の映画音楽:その1
鬼火(1956)
同名のフランス映画「鬼火」(1963)はルイ・マル監督で
ヌーベル・ヴァーグの名作であるが
此れはフランスよりずっと以前の日本映画、それも東宝が
”ダイアモンド・シリーズ”と銘うって
2本立て興行の添え物として低予算で
中編映画(45分)を作った最初の作品である。
原作は吉屋信子の短編。
それを菊島隆三が脚本化し千葉泰樹が監督した。
主人公は独身のガスの集金人(加東大介)。
ある日、集金先の金持ちの家の主人が
女中を手込めにするのを覗き見て興奮し
次の集金先で、寝たきりの夫(宮口精二)の
介護をしている貧乏な妻(津島恵子)に欲情し
ガスの代金を払えないなら彼女の体で払え
と暗に、ほのめかす。
女にとってガスを止められては病気の夫の
煎じ薬が作れない、つまり夫の死を意味する。
ガスの集金人は自分の住所を教え、
その夜、寿司の出前まで取り、待っていたが
彼女は来たものの、いざとなると逃げてしまう。
翌日、文句と集金をしに、再び家を訪ねると
その妻は夫を殺し、自分は集金人を恨む様に
目を開き、首を吊って死んでいた。
その足下にはガスの炎が青白く”鬼火”の様に燃えている
・・・と云う凄惨なストーリーである。
まあ今ならホラーとも云うべき映画だが
此れを私は10歳(小学5年)で観てしまった。
怪獣映画か何かとの併映であったと思うが
見てはいけない”大人の世界”を覗いてしまった
ショックと恐怖で小便を漏らしそうになった覚えがある。
此のサイトの“Stardust Memories★星屑たちの記憶”でも
加東大介は紹介したが
真面目な男が、魔がさしたと云うか
人間の業というか
その演技はリアルそのものだった。
彼は沢村貞子の弟で、津川雅彦の叔父さんだからね。
映画は白黒、音楽は伊福部昭
確か電子楽器テレミンを使っていた様な記憶がある。
こんな映画はレンタルしていないが
また、観たい様な観たく無い様な・・・(笑)


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