Once Upon A Time In The West:Ennio Morricone
此の作品を”マカロニ・ウエスタン”の
ジャンルに入れるべきか、どうかは疑問だが
とにかく”マカロニ”で世界中にブームを起こした
監督セルジオ・レオーネを
ハリウッドが”金のなる木”として放っておくはずも無く
何とか本場で本物の西部劇を!とオファーして
レオーネの、もう西部劇は撮りたく無い!という重い腰を
大金で上げさせたのが此の作品。
主役にチャールズ・ブロンソン
敵役に、それまで一度も悪役をやった事が無いという
ヘンリー・フォンダ。
それに名優ジェイソン・ロバーツの競演に
イタリアの名花クラウディア・カルディナーレという豪華さだ。
クリント・イーストウッドの説に依れば
此の頃デヴィット・リーンの「アラビアのロレンス」に
憧れていたと云うレオーネは、それ迄の低予算の
反動とも思えるスケールで此の映画を作った。
しかし脚本はべルナルド・ベルトルッチも参加したと云うが
内容は”マカロニ”の定番
所謂、復讐劇のパターンを超えるものでは無かったが
その”贅沢な作り”が、その後の彼の作品3部作の始まりに
相応しい風格を漂わせている。
音楽のモリコーネに、監督レオーネは”プレスコ”という
撮影前に音楽を取り、現場で流すという形式を取らせたが
俳優の演技に緊張感を与え、観る者まで疲れる程。
此の後の「夕陽のギャングたち」「ワンス・アポンナタイム・アメリカ」と
セオーネの徹底した準備と現場での完全主義は
彼を寡作にし、自らの死期を早める結果と成った。
それにしても此の映画のサウンド・トラック27曲の
多彩なバリエーションと構成の巧みさ、そして叙情性は
まさに”モリコーネ音楽”の集大成。
モリコーネは旧友レオーネの期待に本気で答えたと思える。
彼らの映画のテーマに多い”男の友情”に胸が熱く成る。
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