2012年7月28日土曜日


Sherlock  BBC TV
BSで始まった「シャーロック」が順調だ。
アーサー・コナン・ドイル原作をベースにしているが
現代版のシャーロック・ホームズは携帯電話とパソコンを使いこなし
自ら”コンサルタント探偵”を名乗る変人だ。
スコットランド・ヤードでも手を焼く未解決事件に一度挑むや
その抜群の推理力で必ずや解決してしまう。
しかし、その天才肌から周りのものが馬鹿に見え、人付き合いが
極めて悪く、ルームメイトのジョン・ワトソンすら
腹を立てる事もしばしば。
今、シリ−ズ−2に入り、私が観た中では
此の「ベルグレービアの醜聞」というタイトルのやつが
やたら出来が良かった。
物語はこうだ・・・
職業が”女王様”、つまりSMの鞭を振る女が
本物の女王様の息子らしき男の、あの時の際どい写真だけで無く
世界中の要人や国家機密情報の入った”携帯電話”を持っていると
イギリス王室を脅して来たのだ。
これに英国政府に勤めているシャーロックの兄が、
弟に事件の解決を以来して来る。
(此の兄弟は確執があり、素直に弟は協力はしない)
その”女王様”が、シャーロックとの初対面で
いきなりスッポンポン全裸で現れるのが凄い!
(勿論、SMの方ね、本物は開会式に出てたけどチビデブのお婆さんだからね)
人並みはずれた美貌と知性を持ち合わせた此の謎の女性に
シャーロックは、明智小五郎vs黒蜥蜴のごとく恋をしてしまう。
その”携帯電話”のパスワードの探り合いが、正に物語の鍵だが
主人公シャーロックを演じる役者
ベネディクト・カンバーバッチのクールな顔に
妖艶という言葉を絵に描いた様な女優ララ・バルバー
此の対決は息をのむ緊張感が有る。
そして此れにリアリティを与えている映像が、
古都イギリスでありながら、現代感覚に溢れたモノ・トーンに近いブルー
例えるに、あのリドリー&トニー・スコット兄弟映画の美しさ。
そして編集の切れ味は「クイズ・ミリオネア」の監督
ダニー・ドイル調の鋭さ。
たとえば、様々な新しい映像の試みの一つに
携帯の画面を出さずに、それを観ている人物に
メッセージを被せる仕掛け、そして瞬きをしている間に
伏線のフラッシュ・カットが入る狂気じみた速いテンポは
嫌がおうにも観るものを画面に釘付けにする。
そして、最も驚いたのは時空を超えた登場人物の背景移動と
常識破りの映像技術に、原作が有るのに、まったく
先の読めない脚本の巧さにハラハラ・ドキドキ疲れるのなんの。
そして1時間半、待っているのは切なく甘いエンディング。
これには、もう映画館に足を運ぶ必要が無い!
という気分にさせられる。現にハリウッドで作られた
ロバート・ダウニーjr&ジュド・ロウの人気俳優コンビの
劇場版「シャーロック・ホームズ」はC.G.でスペクタクルにするだけで
コナン・ドイルの原作の本来の魅力はまったくゼロ
此のBBC版「シャーロック」の足下にも及ばない。
当分、此のシリーズ見逃せない事になりそうだ。
あっ、今夜もオンエアが有ったのだった!









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