2024年8月22日木曜日

 

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太陽がいっぱい( Fish market Scene):Neno Rota
此の映画で世界的に有名になったアラン・ドロンは
此の時点では未だ、こんな地中海沿岸の市場を
うろついても騒ぎにならなかった。
監督ルネ・クレマンの思い付きで物語に関係なく
即興演出で撮られたという此の場面。
此の後、即興を手法としたヌーヴェル・ヴァーグの
先駆けカメラマンのアンリ・ドカによるもの。
親友を殺して彼に成りすまし、その彼女まで奪うという
ピカレスク青年の心の中を見事に映像に撮り込んだ。
「死刑台のエレベーター」「大人は判かってくれない」
「シベールの日曜日」「サムライ」「エヴァの匂い」と
彼はヌーヴェル・ヴァーグのみならず
フランス映画の歴史的なカメラマン。
その映像に、もどかしい程の想いを込めたピアニストは
誰だか分からないが兎に角、ニーノ・ロータの音楽。
全てが完璧なまでに仕掛けられたルネ・クレマンの世界。
そして、その素材は未だ初々しいアラン・ドロンだった。


暑さを避け、涼しくなってからと
夕方のんびり宇佐美から東京の直行便で上京してきたら
大雨に東海道線が川崎でストップ。
滅多に無い事なので慌てたが
先ずは腹ごしらえと構内の立ち食い蕎麦にコンビニで蒲焼のおにぎり。
京浜東北線に乗り換えたらそのまま東京駅へ。
バスの時間も丁度良く、浅草のウチまで事無きを得たと言う訳。
それで、今朝はおめでたいというか、お赤飯に鴨ロースト
味噌汁はナメコ豆腐
納豆が無いので黒豆で誤魔化す。 


2024年8月21日水曜日

「居眠り巌音」(2019):本木克英監督作品
佐伯泰英の人気時代小説の映画化である。
意外にも主演の松阪桃李は初の時代劇らしいが
もともと若手にしては表情の乏しい此の俳優
剣道の立ち会いに”居眠り”と呼ばれる剣法にぴったり。

実は私、子供の頃、近所の耳鼻科の先生の息子と一緒に
胴着をつけて、ほんの少しだが剣道を習っていた事がある。
だから”間合い”とか”小手”が大事な事は覚えている。

幼なじみ3人のその道場での稽古で始まる此の映画に
冒頭から取り込まれた。
”幼なじみ3人”と言えば藤沢周平の「蝉しぐれ」
あちらはラストに、その3人が力を合わせるが
此の物語は早いテンポで、主人公は友達2人を
斬り殺す命を上司から受ける。
しかも1人は、その妹が自分の許嫁なのだ。
今、大河ドラマの主人公を演じている柄本佑と
子供向けヒーロー物上がりの松阪桃李
その気合いの入った殺陣のレベルは確かで
「水戸黄門」と「大岡越前」で死にかけた
日本の時代劇はまだまだ大丈夫と安心する。

物語は、ほぼ藤沢周平の世界、参勤交代に
江戸と地方の九州豊後の二か所で展開するが
許嫁の兄を切った主人公は江戸で浪人暮らし
長屋の大家の娘の口利きで鰻職人を始める。
此のあたりから話は高田郁の”みおつくし料理帳”になって来る。
そう許嫁が江戸に出てきて花魁になる辺りがね。
劇画の様だが、丁寧に撮った映像で許そう。

そして主人公は両替屋の用心棒にも雇われ
田沼意次の政策の転覆を図る悪徳両替屋と戦う羽目になる。
この悪徳両替屋を柄本佑のお父さん柄本明が怪演する。
悪役が強いほど映画は面白いからね。
主人公に想いを寄せる大家の娘に木村文乃
その父親に中村梅雀と無理のないキャスティング。
脚本も良く、しっかりした演出は観応えを感じた。

鯵の叩き定食
納豆には茗荷
味噌汁はナメコ豆腐の兄貴
糠漬けは茄子がイマイチ
さて雨が降らない内に
草刈りの残り٩( ᐛ )و

2024年8月20日火曜日

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のんき大将脱線の巻き」(1939) :音楽ジャン・ヤトヴ
此の作品はジャック・タチの長編映画第1作
公開当時はモノクロだったが実は此の作品
タチがフランス映画では最初のカラーで撮っていたので
後日、彼の娘の働きかけでカラーで復元されたという。
ロケはナチス占領下のパリを離れ、
サント・セヴェールという小さな村。
フランス人はドイツに国が取られても映画は別!と
大作「天井桟敷の人々」とか作ってるし、
今度のオリンピックだってアチコチで戦争中なのに
平気で派手にやってる国民性なんだな。
キートンやチャップリンの無声映画の様なタイトルは
公開当時日本の配給会社が付けたのだろう。
音楽のジャン・ヤトヴについて
ウイリー・ロジェという監督とのコンビが多い作曲家だが
スイングジャズ風な曲を付けているものの
これ以降、彼を起用してないからタチとの相性は
あまり良くなかったと思える。

 涼しい朝に寝坊して
たまにはパンと新しいスキッピーの味見。
珈琲もボトルに牛乳を足した冷たいカフェ・オ・レ。
ヨーグルトにはミックスナッツとメープルシロップ。
さて涼しい今日こそ庭の草刈りだな٩( ᐛ )و

2024年8月19日月曜日

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ぼくの伯父さんの休暇:アラン・ロマン音楽
チャップリンの様に自作自演で脚本・演出全てやっていたと
思われがちなタチの映画だが台詞のないパントマイムでスタートした
彼には欠かせない音楽のテンポとイメージを作っていたのは、
作品によってそれぞれ担当が違う。
アラン・ロマン音楽の此れは
アルトサックスで始まる軽快なメロディーと
彼の助監督だったピエール・エテックスのポスターと共に
此の映画の魅力の一つだ。