三屋清左衛門残日録 完結篇:山下智彦監督作品
前回の「春をまつ心」で此の監督が
名作「関の弥太っぺ」「総長賭博」の監督・山下耕作の
息子である事を書いたが、TVドラマとは言え
此の藤沢周平シリーズの大団円を見事に完成させた。
市川右太衛門の息子は回を追うごとに、貫禄が付き
隠居した武士らしくなり丁寧に撮られた表情にも
初代の仲代達矢を超える演技を感じた。
最終回らしく話は、没落した幼馴染との再会で
気を揉む清左衛門だが。その伏線がクライマックスの
上代家老(金田明夫)を追い込む時に使われた、
藤沢周平の原作もあるだろうが脚本・いづみ怜が巧みだ。
そう、老いれば老いるほど友達は減ってゆく
病んだり死んだりしていく寂しさ
自分も歳を重ねた今、つくづくそれを感じる。
寺田農の惨めな老け具合が見事。
その代わりに新芽が延びるように、若い者たちが登場する。
主役の北大路欣也もそうだが、次世代が沢山出ている。
渡辺謙の息子・渡辺大、伊東四郎の息子・伊東孝明
そして”おしん”の小林綾子やはり子役だった鶴見辰吾
グラビア・アイドルだった優香も。
こうした若い俳優たちが時代劇の”所作”をちゃんと出来ると
見ていて安心する。
それにしてもカメラ照明美術全て本格的な設えで
京都太秦の伝統が受け継がれているのはとても嬉しい。
いつもながら伊東四郎の食いっぷりは良いし
ラストに対決する刺客役の岡田浩暉は
私の”悪役列伝””殺し屋列伝”に入る憎々しさ。
清左衛門を慕う小料理屋・涌井の女将(麻生祐未)との
別離が何とも切ない。
もう一度言うが、山下智彦の演出力は素晴らしい。
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