【放送大学231オーディトリアム 】「キングコング」(1933)
宮本陽一郎教授による此の映画のアメリカ文化としての解説。
何度もリメイクされて最近では”ロード・オブ・ザ・リング”の
ピーター・ジャクソン 監督の作品(2005)の出来が良かったが
何度か観てるはずだが、その完成度が1933年とは思えない程素晴らしい。
まあ想像上の怪物”キングコング”の動きを
当時のストップ・アニメーションと現代のC.G. と比べるのは
土台無理な話だが、その本質的な部分で此の映画の面白さは
此の第1作目に集約されている。
宮本陽一郎教授は
美女と野獣の対比という点で女性に恐怖の表情をさせるのは
ドラキュラ、フランケンシュライン、殺人鬼など映画の醍醐味と。
そして教授の得意なアメリカ文化との関係に於いて
キングコング=黒人男性に米国白人男性の
性的コンプレックスとするのは簡単だが
此の映画を作った同じ年(1893)生まれのドキュメンタリー映画出身監督2人メリアン・クーパーとアーネスト・B・シュートザックの私生活的な要素も含んでいると裏目読みする。
その昔「映画芸術」という雑誌で小川徹氏が映画の奥に隠れた
監督や脚本家の狙いを読み解いたりして論争をする時代が有ったが
宮本教授は監督二人との間に居た女性との三角関係をも描いている
と言うんだから話は飛躍して面白い。
此の1作目ではコングはやたら人間を食い殺したり踏み潰したりして恐怖感を煽っている。でもモノクロだしストップ・アニメだから、さほど怖くないが・・・。
それでも、その後のリメイクではエンパイヤステートビル頂上での機銃掃射から女性を守ろうとしてとして撃たれて転落するコングに同情が集まるような演出が多いが、そのルーツは既に此の作品有り以降のリメイクでも
”飛行機にやられちまったのおですね”
”いや飛行機では無い美女に野獣が殺されたんだ”のオチは
ずっと継承されている。
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