浪花千栄子(1907~1973)
此のホーローの看板、昔は地方で良く見かけたが
今はコレクターの間ではレア物として高い値段がついている。
彼女の本名が”南口キクノ”と言うので此のCMに起用されたとか?
日本を代表する映画監督たちの作品に欠かせぬ脇役女優として
溝口健二、木下恵介、豊田四郎、黒澤明に愛された人である。
その波瀾万丈な生涯はNHKの朝ドラ「おちょやん」に描かれた。
その実感のこもった台詞の重みは先日取り上げた
「悪名」「続悪名」でも彼女以外に言えない。
いやセリフが無くとも彼女が亭主に団扇を仰いでいるだけで
日本の景色となるのだ。
今やバラエティにも娘と一緒に進出している高橋英樹が
”今日、私がいられるのは彼女のおかげです。
吉永小百合の「伊豆の踊子」で初々しい学生を演じた彼は
その後、日活のアクションスターとして人気が出て
再び彼女と共演し、そのロケバスではしゃいでいるのを
前の席で聞いていた彼女は
”あんさん、だいぶ変わりなはったな”と一言。
一見褒め言葉とも聞こえる此れに、高橋は頭から血が引く程
反省させられたと語っていた。
先日の「悪名」でもステッキで朝吉をぶちのめしながら
”あんさん良く耐えたな、これから男として名を上げるで”
「伊豆の踊子」では学生を慕う踊子に優しく
”あんた身分が違うで”と二人の恋に水をさす。
そう彼女のセリフには当時の時代背景まで浮かび上がる。
代表作は何かと問われれば・・・
沢山あり過ぎて私には選びきれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿