「ハロルドとモード」少年は虹を渡る(1971):ハル・アシュビー監督作品
50年以上前の作品だから公開当時観ていたような気もするが殆ど覚えていない。
改めてみて此の映画良くも悪くも”少年と老女の恋”は
監督ハル・アシュビーのメルヘン趣味に溢れている。
当時の閉塞した時代にはキャット・スティーブンスの歌に乗り
しかし主演のバッド・コートの不思議な存在感が蘇った。
此の時、既に彼は23歳。少年の面影をいつ迄も残して
監督のイメージ通りの大人になれない自殺願望の青年役にピッタリ。
此の作品の前にも「バード ・シット」を ロバート・アルトマン監督で
やっていて、似たような設定の少年。
その前には「M・A・S・H」「いちご白書」と出演して
此の頃アメリカン・ニューシネマのヒーロー、
いやそう呼ぶには童顔だからアイドルと言えば良いだろう。
そんな彼は此の映画の老女役ルース・ゴードンに”若さ”を吸い取られたか?
アウシュビッツの生き残りを演じた彼女は
その奔放なキャラクターがウケて、この前の
「ローズマリーの赤ちゃん」でアカデミー助演賞を得ているし
此の後も「刑事コロンボ」の犯人役と大活躍88歳まで生きた。
しかしハロルド役のバッド・コートは
此れ以降、彼の名前はクレジットの後ろの方に回りっぱなし。
その後の彼の写真を見ると見事に中年、そして老人と成り
キャリアもパッとし無くなって当に
”少年は虹を渡り”切れていなかった様に思える。
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